内容説明
軍事大国の恫喝と近隣諸国の非難の矢面に立つも、国土の荒廃をまぬかれるためにはいかなる努力も惜しまない―戦争を回避せんとするがゆえに筆舌に尽くし難い苦難の道のりを歩んできた中立国の戦略とはいかなるものだったのか。各国の中立体制に至る過程から、その軍事、外交政策まで鋭く分析する話題の一冊。
目次
第1章 それぞれの国史・中立政策への途
第2章 二十世紀大戦下の中立政策
第3章 大戦下のスイス連邦
第4章 戦争回避のための苦渋・スウェーデン外交
第5章 非交戦国、中立国の間で揺れた独裁スペイン
第6章 そのほかの中立国、非交戦国
著者等紹介
飯山幸伸[イイヤマユキノブ]
1958年、東京に生まれる。日本大学卒業後、図書館勤務をへて大学院修了。印刷会社、出版社に勤めた後、航空関連の原稿執筆、図書作成を行なう。雑誌「丸」などに橘悠太の名で記事掲載(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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undine
1
世界大戦の状況下で中立と独立を守った国のことを詳しく分析した本。中立を宣言しても独立を守れず、保護占領という口実で列強の支配下に置かれた国との違いは、外交力、国土の地勢そして運だそうだ。外交力に劣り、地勢的に戦争の最前線となる可能性が高い日本は、もしも次に大戦争が起きると中立を守ることは極めて難しいだろう。今の日本の状況には危機感しか感じない。2023/10/29
Go Extreme
1
国史・中立政策への途: 17世紀は大国・バルト帝国 中立宣言後の武装中立体制 二十世紀大戦下の中立政策: 中立外交の難しさ 泡沫と消えた国際連盟 大戦下のスイス連邦: 大戦争の到来を前に 経営の逆転から大戦争の収束へ 戦争回避のための苦渋・スウェーデン外交: 長基線かのスウェーデン 戦火の終息に向けて 非交戦国、中立国の間で揺れた独裁スペイン: 疲弊した状況で成立したフランコ独裁 荒廃スペインが迎えた第二次世界大戦 連合国側にも求めた復興支援 大戦末期に見舞われた内外の難題 そのほかの中立国、非交戦国2022/07/12