内容説明
太平洋戦争が終結したとき、日本国内に残されていた艦艇はわずかであり、威容を誇った戦艦、空母、巡洋艦などの主力艦から小型艦艇まで、多くが失われた。それは商船についても同様であったが、そういった壊滅状態のなか、生き残った船たちはどのような運命を辿ったのか。様々な結末を迎えた艦船の航跡を綴る。
目次
第1章 残存艦艇
第2章 陸軍上陸船
第3章 特設艦艇
第4章 陸軍徴用船
第5章 民間運用船
第6章 戦後大改造された戦時標準設計船
第7章 残存商船に関わる事件と損傷軍艦のその後
著者等紹介
大内建二[オオウチケンジ]
昭和14年、東京に生まれる。37年、立教大学理学部卒業後、小野田セメント株式会社(後の太平洋セメント株式会社)入社。中央研究所、開発部、札幌支店長、建材事業部長を歴任。平成11年、定年退職。現在、船舶・航空専門誌などで執筆。「もう一つのタイタニック」で第4回海洋文学大賞入賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yamatoshiuruhashi
54
大東亜戦争終了時に残っていた艦船が戦後どう使われ最後を迎えたかについての労作。帝國陸海軍は民間商用戦ですら太平洋戦争突入前に全てを把握してABC船に区分。Aは陸軍、Bは海軍、Cは民間への「配当船」とした。軍用として建造された艦艇は戦のためのフネであるからやむを得ないとしても、木造漁船まで哨戒船として利用している。船は同型で複数作られるのが常だが、生き残った艦船の背後に夥しい失われた同型艦船の数が示されいたわしさを感じる。戦時賠償として引き渡されたもの、復員使用されたり、海上保安庁や気象観測船となったもの→2021/09/28