内容説明
三式戦闘機「飛燕」は不運な戦闘機だった。設計者にはめぐまれ、素質のいい機体に仕上がったにもかかわらず、エンジンの複雑さと扱い方の不なれに評価を下げた。しかし、技術者、操縦者、整備兵…数々の人々に支えられ、他の陸軍制式戦闘機に勝るとも劣らない戦果を残した。歴史に不滅の名を刻んだ機体の航跡を描く。
目次
第1章 液冷戦闘機のあゆみ
第2章 “混血児”キ六一誕生
第3章 苦闘、ニューギニア戦線
第4章 決戦場フィリピンへ
第5章 本土上空の奮戦
第6章 遅すぎた五式戦の開花
著者等紹介
渡辺洋二[ワタナベヨウジ]
昭和25年(1950年)、名古屋に生まれる。立教大学文学部卒業後、航空雑誌の編集勤務。53年、第2次大戦の軍航空に関する執筆に専念。平成22年(2010年)、職業としての軍航空の著述を終了。以後、余暇を航空史研究にあてる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
12
版を重ねてきた陸軍三式戦闘機”飛燕”の増補改訂。文春から光人社に版を移してまさに完全版の内容。三式戦に例えるなら最終形のⅡ型か。文春版よりも往時の貴重な写真や図示が格段に増し、より明確に実像を思い浮かべることができる。ニューギニア進出直前の飛行第68戦隊・78戦隊機の綺麗に迷彩が施された写真など初めて見た。また、いきなりの激戦地となった同地では戦局利あらず米陸軍航空隊に押しまくられ、ブーツ等の基地で在地のまま米重爆に爆砕されるケースも増えその際に低空侵入した米機から撮影された写真や、日本軍敗退後に侵攻して2021/05/20