感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
teitowoaruku
1
初年兵にとっては自分より位が高く、傍若無人な振る舞いをしていたという軍馬。しかし兵は戦死しなければ帰ることができたが、馬は戦地に捨てられた。50万以上の馬が強制的に戦場に送られ、非命に散った歴史は、忘れてはならないことだと思う。2023/07/29
七六式
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戦争体験記は数多くありますが、人間以外の従軍者についての話はそうはありません。その点でも馬に注目して書かれた本が手軽な文庫で読める貴重な一冊だと思います。文中に引用が多いのはこの著者が証言自体に語らせるスタイルだからのようですが、それもまた多様な立場や兵科(軍馬を主に使うのは陸軍将校一般と騎兵・砲兵・輜重兵)の声を知れる点で興味深く、現在では牧場か競馬場くらいでしか見ることがなく一般には非日常的となった馬とかつてどんな関わりがあったのかの一側面がここにあります。