内容説明
作戦計画は国家最高の機密事項として、少数者で計画すべきであるが、戦争計画となるとそう簡単にはいかない。統帥権独立という制度を悪用せず、衆知を集め、平素から戦争計画を立てていたら、大東亜戦争は避けられたのではないだろうか。兵は国の大事、専門の軍人だけに任せておけるべきものではなかったのである。
目次
第1章 開戦決定
第2章 軍令部の歴史
第3章 緒戦の勝利
第4章 米軍の反攻
第5章 守勢への転換
第6章 連合艦隊の終焉
第7章 終戦と軍令部
著者等紹介
豊田穣[トヨダジョウ]
大正9年、満州に生まれる。昭和15年8月、海軍兵学校卒業。16年5月、霞ヶ浦航空隊付。第36期飛行学生(操縦)。18年4月、ソロモン方面イ号作戦で撃墜され、一週間海上漂流の後、米軍の捕虜となる。21年1月、帰国。中日新聞入社。48年、「長良川」で第64回直木賞受賞。平成4年度中日文化賞受賞。平成6年1月歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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call
1
海軍軍令部を通して見た第二次世界大戦における日本海軍の通史の本。まず、真珠湾攻撃までの過程を海軍軍令部の視点から見た後に、その前史を述べている。そのあと、敗戦までのプロセスを描いている。タイトルは『海軍軍令部』だが、視点が頻繁に移り変わり、海軍軍令部に重点があまり置かれていないように思う。むしろ、日本海軍の戦略級の通史に近い。また、副題についても、最初の方で組織図をざっと描いただけで、以降の通史の部分で『組織と人の在り方』について事例と絡み合ってなかった。2017/04/09
Kiyoshi Utsugi
0
豊田穣の「海軍軍令部」を読了しました。 500ページ以上ある大作でした。 豊田穣は、海軍兵学校(68期)を出た元海軍軍人で、「長良川」により直木賞を受賞されている作家です。 岐阜県瑞穂市が郷里ということもあり、墨俣城の歴史資料館でも紹介されています。 海軍軍令部の歴史から始まって、先の大戦の詳細(自身も軍人として出征されてます。)が書かれています。 先の大戦の話が半分以上になります。2016/11/17