内容説明
零戦、雷電、紫電改、鍾馗、四式戦―昼夜を分かたず来攻する爆撃機を邀撃し、敵の補充能力以上の機を撃墜し続ければ、兵力を維持しきれずに、空襲は止まる。敵が進攻を進め、より近距離から強力な護衛戦闘機を付けてくると、制圧阻止は困難となり防空は破綻をきたす。空戦が生み出す撃墜のメッセージ九篇を収載。
目次
最強の防空部隊・三〇二空―搭乗員はいかに戦死したか
伝説の赤松分隊士―だれもが認める比類なき腕まえ
零式小型水偵から「雷電」へ―正反対の飛行機を乗りこなして
無敵伝説へのプロローグ―零戦が初めて敵を捕らえた
ラバウル上空の完全勝利―大空戦に一機も失わず
最後の切り札・剣部隊―決戦航空隊の編成と実戦
過負担空域に苦闘す―希望的「零観神話」をぬぐい去る
ビルマから帰った操縦者―戦果と性格が特進を招いた
眞崎大尉が飛んだ空―陸軍リーダーパイロットの一典型
著者等紹介
渡辺洋二[ワタナベヨウジ]
昭和25年(1950年)、名古屋に生まれる。立教大学文学部卒業後、航空雑誌の編集勤務。53年、第2次大戦の軍航空に関する執筆に専念。平成22年(2010年)、職業としての軍航空の著述を終了。以後、余暇を航空史研究にあてる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
11
航空戦史第一人者の著者最新刊。過去作品の更新と新編をとりまぜつつ。何度読んでも真摯な取材と正確な洞察に感じ入る。海軍の伝説的豪傑・赤松貞明中尉の逸話に同じく302空で戦った伊藤大尉の逸話を合わせるなど配慮も欠かさない構成。陸軍屈指の辣腕・佐々木勇准尉の戦史も興味深い。最後の陸軍飛行第47戦隊・眞崎大尉の逸話にて述べられる「歴史小説家」に対する著者の苦言は極めて的を射た必読の一文だろう。渡辺氏の作品群は航空戦と将兵個々のエピソードから戦争全体へと俯瞰的に視野が広がる情報量の多さと正確さにて卓越している。2016/09/16
スターリーナイト
1
2021-852021/10/17
Kyohei Iwaida
0
今月は読書が捗ります2016/11/24