内容説明
ベストセラー『先任将校』。短艇隊生還の周辺を描いた感動の続編。先任将校の指揮のもと、600キロの洋上を漕ぎ進み生き残った「名取」乗員たちの人間物語。
目次
第1部 名取短艇隊(潮気と練習艦隊;パールハーバー;ハワイの日系人;マンサニヨまで;戦闘非常配食 ほか)
第2部 江田島教育(兵学校教育と海軍スピリット;かぼちゃの種;篠崎中尉につづけ;ノーベル文学賞;終わりなき悲劇 ほか)
著者等紹介
松永市郎[マツナガイチロウ]
大正8年、佐賀県三養基郡に生まれる。昭和15年8月、海軍兵学校卒業。練習艦隊(香取)、「陸奥」「榛名」乗組。「古鷹」分隊長、第六艦隊司令部付、「那珂」「名取」「葛城」、内海航空隊の各通信長をへて、岩国航空隊通信長のとき終戦。海軍大尉。平成17年3月、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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テツロー
2
軽巡洋艦「名取」を撃沈された後、生き残った仲間と13日短艇を漕ぎ続け、陸に辿りつき生き延びた著者が、戦後の日本への警鐘や生き方、リーダーシップについて語った本。戦記物ではなかった。生死の境を生きぬいてきた著者の言葉はひじょうに含蓄があり、兵学校等で身に付けた知恵を活かし、GPSなど便利なものがない時代に敵だけでなく、太平洋を相手に生き抜いてきた姿に生きる力の強さを感じ脱帽。著者の考えは決して過去の古い考えではなく、現代社会で生き抜いていくのに役立つ考えだと思い、多くの人に読んで貰いたいと思ました。2023/03/31