内容説明
空前絶後の“ロケット特攻機”最後の切り札・神雷部隊の死闘。陸攻の懐に抱かれ、人間爆弾となって敵艦に突入する特攻隊員たちの挽歌。一機一艦を屠る熱き思いに殉じた空の男たちの肉声。表題作の他、4編収載。
目次
人間爆弾「桜花」発進(佐伯正明)
壮烈 神雷陸攻隊出撃せり(酒井啓一)
かげろうの生命(大沢博)
特攻「桜花」よ碑銘をかざれ(伊藤久男)
若者は母なる陸攻に抱かれて(武田剛吉)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山根
14
図書館本。「永遠の0」を読むまで桜花の存在は全く知りませんでした。神風特攻隊、回天は映画化されその悲劇は今なお語り継がれています。しかし、桜花に関してはそこまでではないように思います。このような愚かな兵器はもう造られる事がないように切に願います。2015/03/09
Mr.deep
4
神風に比べマイナーな桜花の詳細な履歴の良く分かる一冊。鬼神をして哭かしめる鮮烈な悲劇ばかりなのですが、鎮魂文学として見ると全体的に文章力が追っついて無いのが残念2022/11/20
馨
4
特攻兵器「桜花」は、今となっては歴史のわずか一行での記録となってしまい、知っている人も減ってきているという。鹿屋にある桜花の碑に手を合わせに行きたくなりました。桜花特攻隊を描いた短編?集で、3つめの『かげろうの生命』が良かったです。自分も桜花に乗り込んだかのような描写で、桜花から見上げた一式陸功の腹とか、うまく書けませんがリアルにイメージ出来て怖かったです。2014/01/25