内容説明
文学×教育学×歴史学、出版×流通×販売。どうやって調べ、学んでいけばいいか。多様な問いを調べ、考えるための、実践マニュアル。
目次
第1章 読書を調べる
第2章 表現の中の読者
第3章 読書の場所の歴史学
第4章 書物と読者をつなぐもの
第5章 書物が読者に届くまで
第6章 書物の流れをさえぎる
第7章 書物の来歴
第8章 電子メディアと読者
第9章 読書と教育
第10章 文学研究と読書
著者等紹介
和田敦彦[ワダアツヒコ]
1965年、高知県生まれ。1996年、信州大学人文学部助教授、2007年、早稲田大学教育・総合科学学術院准教授、2008年、同教授。コロンビア大学(2005‐2006)客員研究員、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(2013)、ヴェニス国際大学(2016)、ローマ大学サピエンツァ(2017)、サンパウロ大学(2019)招聘教授。専門は日本近代文学研究、及び出版・読書史研究。2007年からリテラシー史研究会を主催、同年より機関誌『リテラシー史研究』(年刊)を刊行している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
68
研究へのヒント集のようなものだけれど、いろいろな知見が得られた。近代の少年少女誌には昔から興味があるし、大正昭和初期の書籍の流通史も調べたら面白そう。ひとりでも勉強できることはたくさんある。アンテナは広く浅く張っておきたいな。2020/11/29
ああああ
1
雑誌や新聞の表現には、読者を引き込んでいくための多様な表現の形式が、工夫をこらして組み込まれてい る。投稿や懸賞、小説や論説、実録など、複数の表現形式が混在することも珍しくない。言語のみならず、写真や絵もむろん多用される。雑誌の研究をすると、こうした様々な表現が読者に果たす役割や、さらにはそれら表現が競合して読者に与える効果を考えさせられることになる。 また、新聞、雑誌メディアは作り手、書き手が複数であったり、匿名、無名であることも多く、作者に対する関心のみではなく、2023/05/20
ぽんぽこ
1
本が読者のもとに届くプロセスや阻害の要因、届いたあとの本の広がりなどを、研究プロセスとともに論じた研究本。この本を通じて人文学の研究方法のとっかかりが掴めればそれに超したことはなさそうです。内容も非常に興味深く、特に検閲については意外と学校でも教えてくれないので、大変に知見が広がりました。専門的な内容でボリューミーな本ですが、人文学系に興味があったり、文学部系の学部に所属している学生さんだったりする方は絶対に一読したほうがいいです。2021/11/07
Mie
0
なかなかのボリュームもあり、読むのが大変だった… けど、これまで読書=読むこと、だったのが+自分の手元に本が行き着くまでのプロセス、にもなって、さらにそれが多様化していたり、時代によってありえないくらい進化していたり、そもそも対象の本のあり方が変化していたり… 一言で読書、本を読め、とか色々言っても難しいものだなあと感じました 読書の歴史を問うことはメディアの歴史を問うことにも連なる、ってことどこかでも言われていたような…2020/12/20