内容説明
大戦中、箱根の山で百人余のドイツ海軍将兵が一軒の老舗旅館で帰国の日を待っていた。その歳月は四年に及んだ。どんなに帰りたかったか。日本の兵隊が南方の島々でひたすら故国を思う心情と少しも変わらなかった。異国の山の中で苦しいほどの望郷の念が彼らをとらえていた。規律正しい日々を過ごすドイツ兵たちと現地の日本人との心温まるエピソードの数々。戦後、六十年を経て再会するまでを描いた感動作―。
目次
寂しい墓
横浜港ドイツ軍艦爆発事件
爆発のなぞ
松坂屋本店
黒パン日記
ドイツ兵と子供たち
箱根山のリリー・マルレーン
テーオの死
箱根山を去る
平成三年・秋
思い出の箱根
永遠のリリー・マルレーン
著者等紹介
新井恵美子[アライエミコ]
1939年、東京都生まれ。学習院大学文学部国文科中退。エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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