内容説明
設計・生産・整備の充実と発展がなければ航空兵力は成り立たない。大戦中、日本の航空戦を陰で支えていた、知られざる努力と奮闘のシステムを綴る感動作。現代戦の舞台裏で地道な作業に勤しんだ人々の記録。夜戦ヘルキャットや日本の対潜哨戒機などテクノロジーを駆使した航空戦の陰の戦いを描く三篇も収載する。
目次
チーフデザイナーとの接点―航空機設計者たちの素顔に触れて
三型に携わって―一式戦闘機「隼」の末期の生産、実戦と改造
半田に青春ありき―中島飛行機、海軍御用達の製作所で働く
生産を戦力に結ぶ者―テストパイロットのプロ魂ここにあり
軍偵と排気管―最前線整備兵たちの知られざる努力
再生零戦今昔物語―ニュージーランドへ運ばれた二二型
ドロナワ式対潜作戦始末―海面下の脅威と闘う飛行機
各国偵察機、実力くらべ―日本、ドイツ、イギリス、アメリカの考え方の違い
夜の「ヘルキャット」―単座戦闘機とレーダーの恐るべき組み合わせ
著者等紹介
渡辺洋二[ワタナベヨウジ]
昭和25年(1950)年、名古屋市生まれ。立教大学文学部卒業後、航空雑誌の編集者を経て、軍航空史の研究・調査、執筆を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
χ
1
空の技術といえば機材と戦法の2つ。どちらのことも書かれてた。もっと機材のことについて知りたかった。苦労話は太平洋戦争当時の細かいことが知れた。アメリカ側の空戦を小説仕立てで書いてるのが臨場感があってよかった。日米の技術の差を再認識2013/06/29
ryo_skd
1
本書は主に設計・生産・前線での改修といった部分に人ベースでフィーチャーした内容となっており、著者の他の書籍と比べると幾分テーマが発散気味な構成に感じる。 最後の三編が対潜哨戒機、各国偵察機比較、米海軍夜間戦闘機に関する内容で興味深く読めた。 特に「夜のヘルキャット」は機材の詳細から運用に至るまで細かく解説されており米海軍の夜間戦闘の実態が明らかになっていると感じた。2013/03/29
しょうご
0
多少、違った視点で、また、アメリカの軍需技術のレーダー、または夜間戦闘機の活躍など、細切れではあるが、”フムフムそうか”本だ。2012/06/30
tora
0
軍用機の生産現場での話は興味深い。読了後副題を見てなるほどと思った。2010/08/22
兵衛介
0
前半は技術者・テストパイロットたちに取材した技術戦史数編。後半は朝日ソノラマの既刊本の再収録。2010/03/02