内容説明
第二次大戦中の欧州戦において連合軍とドイツ軍が、本当に真面目に考え出した珍兵器の数々―上陸軍を阻む火炎防壁、百五十機が載る氷山空母、空気弾を射つ旋風砲、炭塵爆発の力で飛翔する円盤、あっと驚くパンジャンドラムなど、その創意と工夫を凝らした製作背景も捉えた異色の兵器読本。写真図版百二十点収録。
目次
第1章 陸の戦い(火炎防壁;スミス砲 ほか)
第2章 海の戦い(ハバクック計画;Uボートの欺瞞装置 ほか)
第3章 空の戦い(ドイツに負けない英珍兵器;奇抜な英ロケット兵器 ほか)
第4章 爆弾と誘導弾(ウェーリス博士の秘密爆弾;クルト跳梁爆弾 ほか)
第5章 科学戦(ヒンメルベッド防空レーダー;マグネトロン ほか)
著者等紹介
広田厚司[ヒロタアツシ]
1939年、北海道に生まれる。明治大学卒業。会社勤務の傍ら、欧州大戦史の研究を行なう。月刊誌「丸」をはじめ各紙に執筆。現在、翻訳家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ホークス
42
2010年刊。第二次大戦の奇妙な兵器について、発祥や構造を詳しく解説。ドイツが港湾に設けた防壁を壊すため、イギリスはパンジャンドラムを開発した。3メートルの車輪2個と火薬の詰まった軸部から成り、車輪の小さなロケットで爆走する。ただしコントロール不能。ノルマンディーから目を逸らすダミーだからそれで良かった。対戦車で歩兵が使う奇妙な投擲弾や簡易砲の数々(決定版はバズーカ)。画期的だが必要な電力が大きすぎて実現しなかった電磁砲。人間共通の野心や嫉妬は無くせないと思う。殺し合いよりマシな方に向けるしかなさそうだ。2022/12/11
植田 和昭
14
珍兵器の数々。アイデアはすごいけどアイデア倒れの兵器が多いこと。なんでもやってみようという方針なのでしょうが、ちょっと冷静に考えれば無理だとわかる兵器もたくさんありました。円盤が出てきたのには驚きました。タイムマシンがでてこなかったのとドイツの原爆開発に触れられていないのが残念。2019/06/06
nizi
4
近接信管なども掲載されていて、半分くらいは変じゃない上に有用な兵器だった。2023/12/08
眉毛ごもら
3
みんな大好きパンジャンドラムについて載ってるので。だいたいネットで集めた情報通りの記述ではあったが欺瞞作戦で作ったってかかれていて?!となった。欺瞞作戦にするんならもっとマシなもんがあるやろ!あんなイカレ兵器というか本気の悪巫山戯兵器!もっとこうどうにかならんかったのか!と思わんでもなかった。他の兵器に関しては突飛な発想の物や実用的だったり後年実用化されるものの戦争が終了したため放棄破壊研究終了されたものなど変ではあるが興味深いものがあった。でも、兵器を実用して人殺したり物壊したりするのは好かん…そう思う2022/04/18
がんもどき
2
再読。航空機の進化、戦車の登場、潜水艦など様々な新兵器による戦場の変化とともに何が役に立つかわからないという状況が生まれた。そんな中で役に立ちそうなアイデアを片っ端から試していった独英米の兵器開発の様子を垣間見ることのできる本。役に立つとなったら全力で量産にかかるアメリカの様子など読むと、結局最後は国力の差だなと思わされる。2021/07/31
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- 和書
- 新しい物理学 (第2版)