内容説明
人類が初めて体験した未曽有の大戦争。圧倒的な破壊力を持つ戦艦同士が戦ったユトランド沖海戦、インド洋・大西洋で暴れまわったエムデン号、恐るべき力を秘めたUボート等、航空を主力としない第一次大戦の海戦を総括する話題の書。第二次大戦以上に熾烈な戦いを展開した艦艇戦闘を図版とデータで徹底研究する。
目次
第1部 イントロダクション
第2部 主要な海戦
第3部 それぞれの海戦
第4部 脇役の海軍の戦い
第5部 海戦の結果が後の軍艦に及ぼした影響
付録 資料
著者等紹介
三野正洋[ミノマサヒロ]
昭和17年、千葉県生まれ。昭和40年、日本大学理工学部卒業。大手造船会社にて機関開発に従事。昭和42年、日本大学生産工学部勤務。現在、日本大学教養・基礎科学教室専任講師。物理教育および空気力学の研究の合間に、現代史の執筆に取り組んでいる
古清水政夫[コシミズマサオ]
昭和53年生まれ。日本大学文理学部卒業。在学中に近現代史研究会の設立に参加。卒業論文テーマは「ワシントン会議と日本海軍の建艦計画」。三野正洋に師事
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感想・レビュー
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白義
8
数少ない第一次大戦の海戦を史。主要海戦から有名な艦の奮闘まで幅広く取り上げている。意外なことに、第一次大戦当時ですら、戦艦同士の活躍はほとんどなく、砲戦による戦艦の撃沈はただの一度もなかったという。対照的に、快速の巡洋戦艦は存分に海を駆け、期待以上の戦果を示している。その中には、今回はほとんど戦いには参加していないものの、後に第二次大戦でも奮戦した日本の金剛、比叡も。しかし、最も活躍したのは間違いなく、ドイツの潜水艦だろう。通商破壊に尽力し、時には戦艦をも殺す恐ろしさが強調されている2014/05/17
むらきち
5
WW1についてはまったく知らなかったけど、面白かった。広く浅くだったので、もっと細かく書いた本を読んでみたい。特に帆船の通商破壊艦ゼーアドラー号は衝撃だった。2013/01/26
dongame6
3
日本では殆ど書籍が出版されていない、WW1海戦について広く浅く纏めた本。予備知識の少ない人を対象にしており詳しい人には退屈かもしれない。私はWW1については殆ど知らず、その点で非常に読みやすかった。内容としては①WW1前各国海軍の状況②主要な海戦③有名なエピソード④脇役海軍の戦い の四部に分かれており、特に②、③などは戦記に興味のある人なら大変楽しめると思う。個人的には軽巡エムデンのインド洋での戦い、帆走仮装巡洋艦ゼーアドラー号の項が面白かった。WW1の本を読む際この本を抑えておくと深みが出るかもしれない2011/12/14
連雀
1
二次大戦と違い、一次大戦の通史、それも海戦を扱ったものにはついぞ出会ったことがありませんでしたので、同書を書店で見かけてすぐに手に取りました。概略とは言うものの、一次大戦の海戦を俯瞰するには適当な書です。2011/04/21
写楽逸道
0
ざっくりと第一次大戦の海戦がわかる。まるで創作のような活躍の仮装帆船ゼーアドラーの話が興味深かった。2014/04/22