内容説明
自分だけを信じて果敢に歴史にいどんだ男の生と死―韓国近代化に奔走して、遂には側近に殺害された劇的なその終焉。深い反日感情を抱きながらも、近代化を成しとげた日本の秘密を探ろうと努め、大日本帝国陸軍士官学校に学び、戦後は軍事クーデターを成功させて全軍を掌握、対日国交正常化を実現した独裁者の生涯。
目次
第1章 亡国の恨
第2章 権力への意志
第3章 親日に一理あり
第4章 幻の大東亜共栄圏
第5章 弱小民族の悲哀
第6章 金日成との決別
第7章 富国なくば強兵なし
第8章 孤高の独裁者
第9章 怒涛の近代化
最終章 見果てぬ夢―克日
著者等紹介
河信基[ハシンギ]
1946年、兵庫県に生まれる。1970年、中央大学法学部卒。元朝鮮新報社編集部、元朝鮮大学教員(講座長)。現在評論家、国際政治学会会員。世界、宝石、サンサーラ、エコノミスト、週刊東洋経済などに多数の論文寄稿
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感想・レビュー
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nnpusnsn1945
30
韓国では独裁者か中興の祖かで評価は分かれる人物である。戦後日本とは表向きは経済支援が必要だから友好であったが、長年の厳しい統治に対する反発はそう消えるものではないのだろう。満州国軍時代に軍人としてのノウハウを身に付け、のちにクーデターを起こした。冷静に事を見る力が指導者としてやっていけたのかもしれない。国民にとってどうだかは別だが。小説のため架空の人物もいるが、日本統治下の朝鮮がどんなものだったか知る切っ掛けにもなった。後半に少々だれてしまうのが欠点だが、韓国史に興味があるならおすすめ出来る一冊。2020/12/13
nishiyan
11
朴正熙元大統領の評伝。彼の生きた時代は日本統治末期から日本敗戦による韓国建国、朝鮮戦争、漢江の奇跡と呼ばれる経済成長とまさに朝鮮半島にとって激動であった。日本の陸士出身、共産主義との関わりとその時その時で、立場を変えながら機会を待つことのできる性格と、「感情的反日」ではなく「妥協」もできてしまうところが、彼を最高権力者にまで押し上げたのだろう。この本が出てからも随分とたつようだ。最新の研究資料を元にした評伝が出ると良いですね。2018/11/24
Tomoichi
9
戦前・戦後の韓国を現大統領の父、朴正煕の人生を通して描く近現代史。一言で言えばジェットコースターの様な人生であるが韓国もまたそのような混乱の中にいたことがわかる。結局李承晩と金日成この二人が諸悪の根源という事と娘はこの父を越えられないという事がよく分かります。全斗煥・盧泰愚・金泳三・金大中とその後の大統領達も彼を越えられたのかどうか?彼は戦後韓国の中興の祖であるは、間違いない。2015/06/19
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