内容説明
軍国主義台頭の激流の中で国際的視野に立ち、軍縮をとなえて戦争に反対、志半ばにして海軍を追われ、失意のうちに軍需産業に身を投じなければならなかった海軍良識派の提督―いかなる局面に直面しても、冷静さとユーモアを失わず、狂いのない見通しと判断を持ち、人間愛を貫き通して、信念に殉じた男の生涯。
目次
第1章 海へのあこがれから
第2章 戦争は断じて悪なり
第3章 ひとりの死とふたりの生
第4章 軍縮をめぐっての攻防
第5章 狂気の時代へ
第6章 “聖戦”の美名への反発
第7章 激動の歴史のなかで
第8章 兵器産業の現場へ
第9章 生き伸びたことが…
第10章 病魔に冒されて
感想・レビュー
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iso1884(いそって呼んでね)
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山本五十六の無二の親友・堀悌吉伝。海軍兵学校時代、同級生から「神様の傑作の一つ、堀の頭脳」といわれた人物。先見の明を持ち、どういう側面や背景があろうと「戦争は悪」だという認識の下、どんな相手にも怯まず自論を展開し、その説得力ある言葉に誰もが感嘆する。こんなに堂々としていて清く正しい人はそういない。今日の山本五十六があるのは、彼が支えてくれたからだ。だから『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争 70年目の真実-』に堀が出るのは非常にうれしい。映画に行くなら読んでほしい。