内容説明
凍死か餓死か、4500メートルの高峰サラワケット山撤退行―。峻険寒冷の岩肌に若い生命を散らした数多の戦友たちの奮闘と最期。長年月にわたって探し集めてきた生存者の証言を随所にまじえながら、紙一重で生と死の境を乗り越えた自らの体験を紙上に再現する慟哭、憤怒のノンフィクション戦記。過酷な運命を背負った最下級兵士の言葉。
目次
プロローグ―勇敢な射手
第1章 南溟の海峡
第2章 死の撤退行
第3章 魔境の彷徨
第4章 最後の登頂
第5章 奇跡の生還
著者等紹介
佐藤弘正[サトウヒロマサ]
大正10年2月12日、新潟県新発田市に生まれる。昭和13年3月、県立新発田中学を卒業、14年4月、生野市三菱金山技術員養成所修了後、15年4月、和歌山県新宮市円万寺鉱山測量課勤務。17年1月、東京都立川東部78部隊高射砲隊に入営。18年1月、ニューギニアのラエ、サラモアの防空戦を経て、サラワケットを越え、パラオへ撤退。19年1月、ラバウルに復帰し、対空戦に参加。終戦を迎え、捕虜となって苦役に服し、21年3月、横須賀に復員、帰郷。25~54年、小学校教諭、退職後、55年~平成8年、保護司をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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