内容説明
街を流れるスウィングジャズ。歌謡曲の甘いメロディー。花ひらいた大衆文化のもと、コミュニズム、ファシズム、アメリカニズムと日本的秩序への愛着が交錯する驚きの時代史。漠たる不安におびえた芥川龍之介の死から二・二六事件前夜まで。世界恐慌や国際的孤立化をふかめていく世相のなかにも、生活を謳歌する庶民の暮らしぶりをたっぷりと含んで、政治、経済、社会、文化、風俗…興味津々のエピソードと事件の数々で綴る異色の昭和物語。
目次
第1章 なにはともあれ新時代が幕をあけた―昭和元年(一九二六)
第2章 芥川龍之介「ぼんやりとした不安」に死す―昭和二年(一九二七)
第3章 トッコウの名は人びとの畏怖の的となっていった―昭和三年(一九二八)
第4章 経済再建のために金解禁は避けられない―昭和四年(一九二九)
第5章 統帥権干犯は不敬罪です―昭和五年(一九三〇)
第6章 満蒙は日本の生命線のスローガン―昭和六年(一九三一)
第7章 問答無用。撃て、撃てっ!―昭和七年(一九三二)
第8章 四十二対一、松岡洋右退場す―昭和八年(一九三三)
第9章 挙国一致内閣もゆきなやんで―昭和九年(一九三四)
第10章 天皇と巡査も同じというのはけしからん―昭和十年(一九三五)
エピローグ それはどんな時代だったのか―「あとがき」にかえて
著者等紹介
永沢道雄[ナガサワミチオ]
1930年生まれ。東京出身。朝日新聞整理本部長、編集委員、朝日カルチャーセンター(東京)講座部長等を歴任。戦争体験を掘り起こす会運営委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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