内容説明
貧窮に生まれ中学進学も望めぬ苦境の中で猛勉強。独学にて海軍兵学校へ進み、独自の慧眼と毒舌をもって一時代を風靡し、海大卒業時には恩賜の長剣に輝き、日米戦争の末期に至るや、身命を賭して東條暗殺を企て、帝国陸軍の本土決戦には徹底的に抗して、敗戦時、日本最悪の事態を回避した帝国海軍の鬼才の生涯を、高木家資料の大部を提供されて遂に脱稿。「物豊かにして心を失う。国の経済は復興し、国民生産は幾層倍したが、民族としての歴史も伝統も言語も信仰も、弊履の如く見捨てられた」と嘆き、「人生はリハーサル抜き、ぶっつけ本番の悲喜劇」と言い放つ偉大なる反骨の人の生涯を、同郷の一学徒が活写した稀有、感動の正伝。
目次
第1章 球磨川のほとりにて
第2章 国家百年の序章
第3章 はるかなるマルセイユへ
第4章 海軍省てんやわんや
第5章 議論百出、開戦と決す
終章 終戦直後のニッポン風景
著者等紹介
平瀬努[ヒラセツトム]
1950年(昭和25年)生まれ。鹿児島大学医学部卒業。日本神経学会認定専門医、熊本大学医学博士。熊本大学医学部第一内科文部教官を経て、特別養護老人ホーム、老健施設、療養型医療施設を経営。主に福祉、介護の分野で活動。論文、著書を中心に執筆多数。熊本市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件