内容説明
太平洋戦争は海上補給戦であったにも関わらず、軍部の無知蒙昧、海上交通への認識欠如と、加えて、軍人の傲岸な特権意識と島国根性による商船軽視、商船乗り蔑視が悲劇を生み、ひいては完膚なきまでに敗北を喫した。米英が海上補給戦への戦略を重視し、輸送船と乗組員の庇護にどれほど力を注いでいたか。日本軍部は、そんな戦略的常識すら持ち合わせていなかった。日本では、輸送船、社船の護衛任務が主体の海防艦の開戦時保有数が、わずか四隻だった事実が、すべてを象徴的に物語り、船員たちの悲惨な死がそこにある。
太平洋戦争は海上補給戦であったにも関わらず、軍部の無知蒙昧、海上交通への認識欠如と、加えて、軍人の傲岸な特権意識と島国根性による商船軽視、商船乗り蔑視が悲劇を生み、ひいては完膚なきまでに敗北を喫した。米英が海上補給戦への戦略を重視し、輸送船と乗組員の庇護にどれほど力を注いでいたか。日本軍部は、そんな戦略的常識すら持ち合わせていなかった。日本では、輸送船、社船の護衛任務が主体の海防艦の開戦時保有数が、わずか四隻だった事実が、すべてを象徴的に物語り、船員たちの悲惨な死がそこにある。