内容説明
炸薬15キロの五式撃雷をつけた5メートルの竹棒を手に持ち、水中深度5~7メートルの海底に潜んで待機し、敵の上陸用舟艇に体当たり攻撃を敢行する伏龍特攻隊の全容をとらえた執念の労作。翼をもがれた16、7歳の海軍飛行予科練習生たちの過酷なる青春を描く。
目次
「海底到着チョータンタン」
海軍伏龍特攻作戦
伏龍特攻隊員となって
伏龍隊解隊まで
伏龍・秘められた戦話
やっと見えてきた一里塚―「あとがき」にかえて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かいゆう
15
訓練途中に終戦を迎え、実戦に赴く事なかった海軍水際特攻隊『伏龍』。飛行機でもなく船でもない。潜水服に撃雷のついた竹棒という簡単過ぎる装備と、どう考えても無理な作戦に、とにかく驚かされました。もうこんな作戦でしかどうにもならないくらい追い込まれていた日本の状況が見えます。特攻隊として潜水訓練を受けた著者でさえも、『伏龍』の全体像が分からないという程解明できていない事ばかりですが、とても使えるような代物ではない事ははっきり分かります。訓練中に多くの16,17歳の少年たちが命を落とした事が残念でなりません。2015/01/10