内容説明
極寒凍土虜囚の体験を語りつぐ、逆境を生きた兵隊アラカルト！オンボロ貨車につめこまれ、揺らり揺られてシベリヤへ―酷寒、ノルマ、粗食にも耐え、ガンバリぬいた三年間！ラーゲリぐらしの秘話、逸話のかずかずをあまさず描く抑留体験記！軽妙洒脱に綴るイラスト・エッセイ！
目次
戦利品の山
ソ連と中国の少年
最初の逃亡
ウクライナ娘
ロシヤマダム・マローシャン
チスター軍医
戦友栗原君
シベリヤ病
黒パン物語
泣いて歌った「国境の町」
イルクーツクへ
よくなる暮らし
ラーゲリの運不運
なつかしの虜友たち
ライキン中尉とのめぐりあい
帰国の発表
父をリヤカーに乗せて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高木正雄
4
こういうことを書くと誤解があるかもしれないが、この人が収容されたラーゲリは想像するよりも過酷ではないようだった。配属場所によるそうで、軍隊は運隊とはこのことだろう。ロシアマダムやウクライナの娘とのほのぼのした交流は息抜きになったのだろう。物資を盗んでも日本兵は罰せられず、てきどにサボるなど要領よく暮らしてこられたようだ。最後のA子さんの話は悲劇的だ2025/06/17
