内容説明
明治期の思想弾圧事件、いわゆる「大逆事件」で1911年、幸徳秋水らとともに死刑判決を受けた24人のなかに、真宗大谷派僧侶・高木顕明がいた。顕明は恩赦で無期刑となったが、収監されていた監獄で3年後に自死した。顕明の尋問調書に『余が社会主義』と題された4千字ほどの文書が残されている。そこには念仏の実践が「社会主義」であり、念仏を唱える人は「極楽の人数」だと説かれている。この文書に書かれたラジカルな親鸞思想を、真宗僧侶で宗教学者の著者が読み解く。
目次
序 高木顕明と『余が社会主義』―社会批判としての信心
本論 極楽の人数(「極楽の人数」;高木顕明の社会主義;阿弥陀仏とは何か、極楽とはどういうところか;念仏申さんという心の起こるとき;社会批判としての信心―第四章・思想の回転 ほか)
補論 高木顕明『余が社会主義』と親鸞『教行信証』(親鸞の『教行信証』とはどのようなものか;浄土教とはどのようなものか;『教行信証』の基本構造と「証巻」;往還二回向論をめぐる論議について)
資料 高木顕明『余が社会主義』
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