内容説明
哲学者とは何をする人か、日本人とは誰のことか、学校とはどういう場所か、赦されない悪はあるか、正義の戦争はあるか、戦争をしない国家は可能か、など、現代哲学の俊英が日本と世界の諸問題について率直に語る「市民のための哲学入門」。
目次
哲学者とは何をする人か
ヨーロッパ的理性
他者(共約不可能なもの;他者の顔)
言葉にすれば嘘になる?
日本人とは誰のことか
学校とはどういう場所か
世俗化の時代の宗教
死者を悼むということ
幽霊の声を聞く
赦しがたい悪に直面して
正義の戦争はあるか
戦争をしない国家は可能か
民主主義の未来形
現代という時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三田典
3
デリダの研究者である高橋氏の著書だった為購入。デリダの読解に必要な知識が散見されたのでそれだけでもよかった。思想としては左翼にあたるのかと思うが、日本人のメジャーな思想との対比で改めて日本人とは、という思考の糸口になる。2024/05/04
FK
0
良い本であった。無縁のものと思わせられていた「哲学」というものを、身 近なもの・誰もが考えるべき大事なものとして認識させてくれる。目次を抜き書きするだけで、大体のことが察せられそうだ。/第1講 哲学者とは何をする人か 第5講 言葉にすれば嘘になる? 第6講 日本人とは誰のことか 第7講 学校とはどういう場所か 第9講 死者を悼むということ 第11許 赦しがたい悪に直面して 第12講 正義の戦争はあるか 第13講 戦争をしない国家は可能か 第14講 民主主義の未来形 第15講 現代という時代2006/09/14
まえ
0
『兵士になるということは、自分が合法的に殺される対象になるということであり、自分が合法的に殺す存在になるということ』『誰かが生き残るために、他の誰かを殺されてもいい存在として道具的に使用すること』いまだからこそ、心に刻みたいことば。『国家の枠を超えた憲法』はだいじにしていかないといけない。2013/01/02
ressenti-man
0
最初の方の哲学概論的なところは流石に非常によくまとまっていて納得なのだが、その後社会問題を扱うようになると非常に左寄りになって違和感を覚える。本当に哲学を突き詰めるとそうなるのだろうか。思想的影響を受けている西洋知識人の猿真似のようにも思える。何にせよ後半語られる親中親韓で反日というか自虐的な歴史観、極端な殆ど現実離れした平和主義の根拠が見出せない。それはぼくが世俗に塗れ過ぎているからだろうか。2011/08/25
まみろん
0
反・哲学入門というよりは、反・日入門というか反・戦争入門という感じで期待はずれだった。いちお最後まで読んだけど、残念。2010/09/12