出版社内容情報
伊達政宗や蒲生氏郷、上杉景勝など戦国時代の有名武将たちがかつて治めていた地へ、徳川家と結びつきの深い本多氏が移って来て15万石で立藩。その後、堀田氏の時代や幕領などを経て、元禄に徳川家康が重用していた板倉勝重の子孫が3万石で入る。養蚕が盛んで、領内で生産させた生糸などを運ぶため水運が発達した。また、文化的な土地柄で和算や俳諧を嗜む人が多かった。
しかし、幕末に戊辰戦争が勃発すると、東北の他の藩に倣って奥羽越列藩同盟に参加。その結果、長州藩の挑発に乗って世良修蔵暗殺事件を藩内で起こしてしまい、三河へと所替えになった。
それでも現在の福島市など旧藩域には福島藩だったころの遺物や風俗が残っており、こうしたものも数多く紹介する。
養蚕で栄え、文化活動が盛んだった譜代大名の藩の物語。
現在の福島県福島市とその周辺を拠点とした藩の歴史秘話が満載!
内容説明
伊達氏と上杉氏を睨む要の地、福島信達地方。譜代重臣・板倉家が三万石で維新まで治めた。阿武隈川の水と吾妻連峰からの冷たい空っ風が、養蚕・製糸の発展を産み、文知摺りの里を賑わした。戊辰戦争で悲哀を味わった、県庁所在地・福島の物語。
目次
第一章 大森城から杉目城へ“福島”の誕生 山城から平城へ、近世的城下町へ。
第二章 上杉氏の支配 近世福島地方支配の基礎確立の時代。
第三章 一円支配から分割支配へ 信達地方には、モザイク状に多くの小藩や分領が置かれるようになった。
第四章 福島藩板倉三万石の成立 城下町福島は明治維新まで譜代大名板倉氏が十二代約百七十年間支配した。
第五章 蚕糸業の発達と城下町福島の賑わい 信達地方のすぐれた生糸や蚕卵を求めて全国から商人が集まり、城下町は賑わった。
第六章 戊辰戦争と福島 福島藩は勤王か佐幕かで藩論が揺れる中、東北戊辰戦争に巻き込まれていった。
著者等紹介
守谷早苗[モリヤサナエ]
昭和27年(1952)福島県須賀川市生まれ。県立高校社会科教諭・県立博物館学芸員・県教育委員会文化課文化財係などを経て2025年退職。その後福島市史編纂室嘱託勤務。現在福島県文化財保護審議会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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