内容説明
ジェンダーから見たメディアの落とし穴を見抜き、不平等・非寛容・差別に抗するためのジェンダーフリーという見方を提示する。
目次
第1章 メディアとジェンダーの橋渡し
第2章 講演・メディアがつくるジェンダー、ジェンダーがつくるメディア
第3章 家族イメージを形成した「ホームドラマ映画」
第4章 若者雑誌とジェンダー―バブル期に何を描いていたのか
第5章 自治体広報のジェンダー表現をめぐる動向と問題点
第6章 ジェンダーフリーを目ざす家庭教育事業のメディア広報
第7章 カナダにみるメディア表現への取り組み
第8章 男性メディアの陥穽―気づかない構造と気づきたくない心理と
第9章 ジェンダー視点からみたマス・メディアの仕組み
著者等紹介
諸橋泰樹[モロハシタイキ]
フェリス女学院大学教員。専攻はマス・コミュニケーション学、女性学、社会学。1956年生まれ。大学院在学中から(社)日本新聞協会研究所で委嘱研究員として新聞をはじめ各種メディアの調査研究に従事、同時期に(株)マーケッティング・サービスでも社会調査に従事ののち、1993年から尚美学園短期大学教員。1999年よりフェリス女学院大学教員
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感想・レビュー
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katoyann
20
2002年の本。メディアにおける女性の表象をテーマにした研究である。世界女性会議では、メディアに描かれた女性のステレオタイプ表現が問題とされ、北京会議では「女性とメディア」という行動綱領が採択された(同書97頁)。女性表象の是正は長年の課題だが、同書で指摘されているように女性を性的存在として描いたり、性役割を固定化したりする表象は未だに是正されているとは言い難い。マス・メディアの役割は相対的に小さくなったが、自治体PRのキャラクターやCM等の問題は現在も物議を醸している。メディアとジェンダーの勉強になる。2021/10/12