内容説明
フィールドワークってなに?エスノグラフィーってなに?今や猫も杓子もフィールドワーク。でも、ただ出かけりゃいいってもんじゃない。「リアル」をきちんと書き留めるための文章作法の数々。現場と記述の関係の背後にある隠された約束ごとが今、明るみに出される。
目次
第1章 フィールドワーク・文化・エスノグラフィー
第2章 文化を追い求めて
第3章 写実的物語
第4章 告白体の物語
第5章 印象派の物語
第6章 フィールドワーク・文化・エスノグラフィー再訪
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひつまぶし
1
エスノグラフィーの三つの文体(写実的物語、告白体の物語、印象派の物語)について論じている。文体論ということになっているが、調査者であり、執筆者でもあるフィールドワーカーがどこから現象を見て、どのように書いているかに関わる問題と考えた方が分かりやすい。自己をないもののように超越的・普遍的に語るか、今現在から過去一般を語るか、あたかも今経験したばかりのように語るかの違いだろう。人類学と社会学で異なるフィールドワークの位置付けと研究成果をまとめる際の異なる事情についてストレートに言及している点も読みどころ。2023/03/21