出版社内容情報
昭和を代表する作家の一人である高見順(1907:明治40年?1965:昭和40年)の生涯から、昭和という時代を見直し、現在の社会状況を照射する。
評論家・奥野健男が「高見順の青春、その文学的出発と変遷を辿る時、そのまま昭和という時代の特徴と変遷を辿っている思いがする」と述べているように、高見順は時代に鋭敏に反応して作家としての生涯を送った。その高見順の生涯と作品をひもとくことは、昭和という時代について、またその時代に翻弄された人々の思いを知ることにつながる。
高見順らが経験した言論弾圧、戦争する体制下での暮らしが、今また不気味な影となって日本の社会に迫っている。
内容説明
プロレタリア文学を出発点とする昭和の代表的作家・高見順。戦争にのめり込む日本の姿を描き続けた彼の生涯が現在の日本社会を照らし出す。
目次
第1章 出生
第2章 生い立ち
第3章 関東大震災
第4章 プロレタリア文学への道
第5章 恋愛と最初の結婚
第6章 検挙、拷問、そして転向
第7章 再出発
第8章 戦時下の順
第9章 順が見た戦場
第10章 猛烈な創作活動中に発病
著者等紹介
山田邦紀[ヤマダクニキ]
1945年、福井県敦賀市生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。夕刊紙『日刊ゲンダイ』編集部記者として三十年間にわたって活動、現在はフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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