内容説明
精神科病院入退院、48回。刑務所、3年服役。「施設太郎」だった私の、生き直しの道。
目次
第1部 ある依存症者の生き様―リカバリー、それは「生きる」ことへの根源的な問い掛け(生きづらさを非行で表現していた幼少期~思春期;アルコールに溺れ、精神科病院入退院・刑務所服役、自傷を繰り返した青年期;リカバリハウスいちごとの出会い;ピアサポートとは)
第2部 依存症からのリカバリーのために必要なこと―当事者として、支援者として、社会に向けての提言(依存症者としての自分自身を振り返って;依存症者としての経験から支援を考える;依存症者として生きる私からの社会への提言)
著者等紹介
渡邊洋次郎[ワタナベヨウジロウ]
1975年、大阪府生まれ。介護福祉士。十代から鑑別所入所、少年院入院を繰り返す。二〇歳からアルコール依存症等で精神科病院へ四八回入院。三〇歳からの刑務所服役後、自助グループへつながり、回復の道を歩み始める。現在、依存症回復支援施設で職員として働きながら、啓蒙活動や海外の自助グループとの交流を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネギっ子gen
51
【リカバリーとは、単に酒や薬をやめるだけではなく、新しい生きる意味や目的を獲得していくこと】精神科病院入退院、48回。刑務所、3年服役。アルコールと薬物の依存症である著者が、“支援”を受け自助グループと出会うことで見つけた新しい生き方について綴った書。2019年刊。<社会はまだまだ「依存症は本人の意志や人間性の問題だ」という偏見があり、そのことが治療や支援を必要とする人たちから、回復の機会を遠ざけてしまっている/偏見は、家族だけで依存症者のことを抱え込んで何とかしなくては!という悪循環>を生む、と――。⇒2024/11/10
Koji Takahashi
13
《洋次郎さんの生きざまに学ぶ》 第一部は、洋次郎さんの幼いころから現在に至るドキュメンタリー。映像が無いにもかかわらず、身体の痛み、心の苦しさが伝わってくる。身体が冷たくなり、脈拍が大きく聞こえ、光を感じなくなる。洋次郎さんはこのような感覚を何十年も抱えてきたのだろう。「知る」ことはできても「共感」するにはあまりに大量のエネルギーだ、とても受け止めきれない。 ぜひ社会派の映画監督の目に留まり、映像化され多くの人に感じてもらえることを願っています。 て一緒に成長できる、そんな支援者でありたいです。 2021/05/25
カッパ
13
表紙は直筆だろうと思うだいぶ思いがこもっているように感じました。シンナー中毒からアルコール依存にもなり、警察にもお世話になった著者。刑務所に入ったからこその気りか確かに下手くそかもしれないけど。前に進んでいる感じがする。もがいてもがいてつかんだことには力があるのだと思う。リカバリーは自分の人生を生き治すことだと思う。誰かに助けてもらうときもあっていいけどひとりですくっとたててあるける日を目指したい。2020/01/30
れい
7
【中央図書館】結局、何が苦しかったのかははっきりとは書かれていなかったけど、人との繋がりを信じきれない辛さだったのかなぁと想像する。回復の転機になったのは、やっぱり刑務所でのカウンセリングじゃないかと思う。やっぱり、すごい。勉強嫌いとは言うが、誤字や脱字もなく文章は秀でている。遠回りされたのかもしれないけど、やっと自分の本来の姿を取り戻したのかなぁと感じた。ただ、母親の立場になって読むと、非常に辛くなる。2021/02/20
CD
3
シンナーと酒におぼれて学校にも行かず仕事もせず精神病院に入り、人生めちゃくちゃな人間が、自分の人生を見つめなおし、本を書くところまでなったという・・・。30代で気づけたのはよかったのかな・・・2022/10/09