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目次
第1章 俳優になるまで(菅原文太という一人の男がいた;詩人であり、洋画家でもあった父 ほか)
第2章 新東宝・松竹時代―主役から脇役へ(新東宝―「生まれながらの虚弱児」;大蔵貢の経営―「新東宝ケチ・プロ」 ほか)
第3章 東映時代(一)―時代劇、任侠映画の様式を壊す文太(文太が入った頃の東映;東映初出演は高倉健の『網走番外地』最後の作品 ほか)
第4章 東映時代(二)―「オレの場合は存在感だけでね」(『仁義なき戦い』シリーズ(一)―映画人たちの思いが一つになった
『仁義なき戦い』シリーズ(二)―「オレの出世作」 ほか)
第5章 文太の思い(家族―教育についての考え、そして長男の死;弱い人たちのためにできることから ほか)
著者等紹介
坂本俊夫[サカモトトシオ]
昭和29年(1954)、栃木県宇都宮市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。フリーライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もりくに
44
演技する俳優と実像のギャップは、理解しているつもりでも、やっぱり騙されてしまうことがある。私にとって菅原文太さんは、そんな俳優だ。「仁義なき戦い」も「トラック野郎」も、何とも粗野な感じがして、リアルタイムで観なかった。農業を始めた時にも、俳優の「道楽」ぐらいにしか思わなかった。彼が自分で選んだ専門家と議論を交わすラジオや雑誌も知らなかった。彼に初めて目を向けたのは、亡くなる直前の沖縄知事選での「飛び入り」演説(!)演説の冒頭、政治の役割を述べる。「国民を飢えさせないこと」と「絶対に戦争をしないこと」。→2020/05/13
Mitsuhito Shiraha
2
画家の子息で小説家志望、貧乏学生が食うためにモデルに。東宝の傍系新東宝にスカウトされてデビュー。私の菅原文太のイメージは狂気なき暴徒、微かなハニカミ。どこか覚めている。東映で言うと松方弘樹の方がよほど目に狂気を宿していた。それはこの方の文学由来の知識人であったことと無関係ではない事が本著でよく分かる。井上ひさし著「吉里吉里人」の映画化を長谷川和彦監督に勧めたのはこの方だった筈。他文献からの引用が目立つが時代を併走した深作欣二監督とのエピソードはこれから映画を観る人にはガイドブックにもなるだろう。2019/12/03
つるる
0
文太さんの生涯を映画作品とともに振り返ってゆく評伝。 前書きで著者自身が文太ファンであるエピソードが明かされているのだけど、全編を通してファン魂が感じられるのが特徴かと。 悪意ある暴露本と違って対象である文太さんへのリスペクトが一貫して伝わってくるうえ、参考文献も膨大。 ファンならば持っておいて損はないであろう情報量でした。 が、文太ファン未満の私としてはどうしても著者の方に関心が行ってしまうわけでありまして。裏方に徹しているようでとぼけた味が滲み出てしまっている文体に、思わずにやけてしまいました。 2019/05/29