内容説明
ロシア革命の壮大な歴史群像を「寸鉄人を刺す」笑いで織りなすルポルタージュ。
目次
第1章 革命家たち(マルクス主義;ウラジーミル・レーニン ほか)
第2章 ロシア革命(第一次ロシア革命;二月革命 ほか)
第3章 権力闘争(ソビエト連邦共産党書記長;レーニンの死 ほか)
第4章 独裁者(五ヶ年計画と集団農場;キーロフ事件 ほか)
著者等紹介
若林悠[ワカバヤシユウ]
同志社大学文学部卒。風刺画収集家。特に戦争関連
桑野隆[クワノタカシ]
1947年生まれ。東京外国語大学大学院(スラヴ系言語)修了。現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専門はロシア文化・思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
34
良書。ソ連(ロシア)の独裁者の苛政への風刺画とアネクドート(ロシア風冗談)を通して、ロシア革命とソ連建国からトロツキー暗殺に至る通史を学べる。笑いながらも、現宇露戦争に至る、洒落にならない共産主義のでは常態化した、「権力」というものの固定概念も学べる。「正義の反対は悪ではなく、別の正義」とは、よく耳にする言葉だが、地獄の反対はまた別の地獄と、ファシズムを打倒した賞勲者と謳う彼らの本質を、子供のうちから知っておいた方が良い。2022/03/27
浪
3
風刺画収集者である著者による第一次ロシア革命からトロツキー暗殺までのロシア・ソ連史の概説書。ジョーク集という感じではなく、著者による平易なロシア革命史解説の合間合間にアネクドートが紹介され、各時代ごとの風刺漫画(主としてロシア外のもの)が紹介される。著者自身トロツキーへの不当に低い歴史的評価への問題意識から本書を著しはじめたとのことで記述の大半がトロツキーに割かれているが、そもそも風刺画に書かれた回数自体がレーニンよりトロツキーの方が多かったというのだから仕方がない。2017/10/29
綾鷹
1
大学の授業でロシア革命を扱っていたため復習用に図書館で借りました。 アネクドートは一つ一つエッジが効いていて大変面白い上、解説部分は普通の教科書と違って難解な言葉を使っておらず、大変読みやすいです。初期のソ連史に興味がある人はもちろん、楽しく歴史を学びたい人におすすめです。じわじわ笑えますよ。2023/12/01
Teo
0
大分前に買ったけど埋もれさせてしまって発掘して最近読了した。風刺画としてはもうちょっとおもしろいのを期待したけど、そこまでではなかった。ただ、ソ連史としてロシア革命頃の各人の動きが結構分かる。ケレンスキーの雰囲気が以前よりも深まった。2024/07/13
siomin
0
ロシアはソ連時代も含めて表現の自由が制限されているためアネクドートという笑い話がたくさん作られていましたが、ロシア革命に絞って紹介したのが本作です。とはいえ、スターリンがライバルをことごとく抹殺したくだりは、背筋がかなり凍ります。結局のところ、社会主義はいったい何だったのか、スターリンはいったい何をやりたかったのか、それでソ連は幸せだったのかの疑問を抱かざるを得ません。2024/03/09