内容説明
未知の領域に挑んだ人類の苦難と叡智の歴史を追う!日本による南極観測の歩みを詳解。科学が要請したのは、国境なき「政治的ユートピア」だった!
目次
第1章 日本と南極
第2章 日本の南極観測
第3章 南極観測の成果
第4章 南極氷床へのアプローチ
第5章 かけがえのない越冬生活
第6章 開けゆく南極
第7章 科学の世界から神の世界へ
著者等紹介
神沼克伊[カミヌマカツタダ]
1937年生まれ。国立極地研究所ならびに総合研究大学院大学名誉教授。東京大学大学院理学系研究科修了後、東京大学地震研究所に入所し、地震や火山噴火予知の研究に携わる。1974年に国立極地研究所に異動、南極研究の第一人者として活躍。南極に「カミヌマクラッグ」「カミヌマブラフ」の二つの地名をもつ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
11
南極観測隊に参加した人による南極の歴史本です。 南極に秘められた可能性や各国の思惑などマクロな視点と、昨今の南極観測や観光に対する著者の忸怩たる思いが綴られていて非常に濃い内容でした。 ロシアのボストーク基地の地下で発見された湖はその後どうなったのでしょう。2015/12/05
読書実践家
9
昭和基地から得られる情報や現地での調査・生活を克明に描く。オーロラ、隕石、氷、オゾンホール、それらの情報から極地のデータの独自性を知る。天地創造の謎と地球環境問題、そして未来への展望。理系に目覚めた若き研究者を求む、と本作の最後にはある。2016/03/08
りっちー
4
#よりもい を見て南極関連の本を読み漁ったなかの1冊。中高生を南極へというのは、この筆者の言葉。 初期の昭和基地から最近の状況まで沢山の事が書かれています。よりもいファンにオススメの1冊。2018/04/18
後藤良平
1
南極観測に興味を持ったのは、にかほ市にある白瀬南極探検隊記念館を見て以来しばらくぶりのこと。その時も偶然見つけ、白瀬さんが金浦出身ということを知った。それから早17年?、初めて日本の南極観測史に触れた。サンフランシスコ講和条約からわずか4年目の1955年に、南極観測への参加を決めた先人に、敬意を表する。敗戦国の中で、白人国のドイツ、イタリアを差し置いての参加は、いろいろ欧米科学者の反発を受けたというが。南極観測史上の三大発見の二つ、隕石とオゾンホール発見が、日本の成果とは誇らしい。年間No.87榴岡図書館2020/08/25