内容説明
祭り芸能を訪ね、由来を探ることは、精霊に遭遇する原点。人間は放浪を繰り返すことで、異界へと分け入る。祭りと芸能に結託すれば、巫術・巫女と絡み摩訶不思議な生命力が宿る。
目次
卑弥呼は古代朝鮮の巫女だった
朝鮮半島にルーツをもつ天皇家
韓国古典舞踊と広大・白丁
風土から捉えた日本の祭り
渡来文化にみる神社と祭り―複合と伏流について
神社成立の謎と神とコメの所在
百済王権から日本へ
アニミズムは沈黙と闇のなかにある
このクニのかたちと内実
鬼の子孫・八瀬童子の赦免地踊り
性と祭り 日本と朝鮮半島との融合
渡来の祭事
漂泊の人形遣い 傀儡の謎を追って
朝鮮半島と日本列島を通底する文化―芸能の視座から賎民文化の根源を考察する
伽耶は倭国だった―任那日本府は存在しない
著者等紹介
前田憲二[マエダケンジ]
1935年生まれ。映画監督。1992年より2003年まで、学習院大学東洋文化研究所アジア文化研究プロジェクト、比較民俗学・運営委員。現在、NPO法人ハヌルハウスの代表理事。2001年、韓国政府より玉冠文化勲章を授与される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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eirianda
11
ドキュメンタリーの映画監督が、渡来した祭や漂泊の芸人やシャーマンの来歴について、書いたもの。(倭)は日本ではなく、日本海や琉球の島々を指し、卑弥呼も日本人ではなく、海人ではないか。漂泊の傀儡子らは餞別視されていて、定住した土地では今も偏見がある。など。2016/08/01
くまきん
1
日本列島各地の祭事を取材して映像に収めて来た著者が得た結論は、日本の伝統的な祭祀や風俗は、朝鮮半島や中国大陸のみならず東南アジア、ツングース文化からやってきたものがアジアの果ての国として吹きだまっていると言うことである。各所に発表した文章を集めているので、重複した部分が多いのとテーマ的に散漫なところもあるが、取材して来た数と経験が訴えるものはかなり大きい。