内容説明
統括矯正処遇官(教育担当)佐伯茂男。教育担当は死刑囚の“お守役”といわれ、死刑囚からの信頼は圧倒的に厚い。その佐伯の勤務する拘置所に、幼稚園児十三人と教諭一人を惨殺し、罪を悔いることなく早期処刑を望む石堂俊也が移送されてきた。死の恐怖におびえる死刑囚と密着している精神的苦痛、死刑を執行する刑務官の心の傷…。圧倒的なリアリティーで死刑囚と刑務官の関係を描き出す衝撃のノンフィクション・ノベル!
著者等紹介
小笠原和彦[オガサワラカズヒコ]
1945年、秋田県生まれ。中央大学法学部卒。千葉県野田市役所勤務、雑誌『市民』を経て、工場労働者、警備員などの傍ら執筆活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フクミミ
6
仕事とはいえ、たとえ凶悪犯であろうとも、刑務官が死刑執行の為、処刑のボタンを押す事の重みと、心の傷は耐え難いものだと想像出来る。 刑務官の仕事と死刑囚の日常を知る興味深い一冊。2015/01/25
ぽけっとももんが
5
刑務官の苦悩や現実、死刑囚は心身ともに健やかな状態で処刑されなくてはならないこと、被害者のやりきれない気持ち。死刑とは何かということを考えさせられる。けれども、どうしても刑務官の佐伯に感情移入できない。粗野で乱暴なはずの彼が、死刑囚の石堂の絵に感動して個展を開くために奔走するようには思えないんだけど。石堂という人物にも魅力を感じないし。テーマはいいのになぁ。読むのにたいそう時間がかかりました。2015/05/09
みやび
1
☆32015/04/06
野川散歩
1
刑務官という職業人の仕事の向き合い方の一例として、また、死刑囚への処遇の一例として参考になる貴重な作品だとは思います。日本中を震撼とさせたある死刑囚がモデルとして登場します。本作以外に、彼を主題とした文献に目を通したことがありますが、同じように、胸くそ悪い印象しか残りませんでした。2015/01/02
nokiko
0
なんともむなくそ悪い話2023/11/24