内容説明
卍(まんじ)と〓(ハーケンクロイツ)は同じなのか、どう違うのか?その起源と世界中の分布、卍に対する人々の感じ方を調べ、聖なる卍への誤解を解き、卍の復活を目指す。
目次
序章 何故、今「まんじ」なのか?
第1章 日本・仏教におけるスワスティカ(卍)
第2章 スワスティカ(卍・〓(ハーケンクロイツ))は世界中にある?
第3章 ホロコースト大量殺戮と「卍・〓(ハーケンクロイツ)」
第4章 ハーケンクロイツとスワスティカは全く関連がない!
第5章 隠されたヒトラーの十字架
第6章 「鉤の十字架」とドイツのアーリア人卓越民族思想
第7章 反ユダヤ主義vs.新十字架との聖戦
第8章 スワスティカ復活の予感
著者等紹介
中垣顕實[ナカガキケンジツ]
ニューヨーク在住の浄土真宗・僧侶。ニューヨーク仏教連盟前会長、ニューヨーク本願寺仏教会前住職、現在はニューヨーク・インターフェイス・センター副会長、ニューヨーク市警察コミュニティ・リエーゾン、コロンビア大学宗教アドバイザー、ニューヨーク日系ライオンズクラブ・メルビン・ジョーンズ会員など。1961年3月11日、大阪府茨木市で誕生。1983年、龍谷大学にて仏教史学科卒業。1994年、カリフォルニア州立大学フレスノ校にて言語学修士号取得。2012年、ニューヨーク神学校にて伝道師博士号取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chatnoir
13
卍(まんじ・スワスティカ)はアジアの吉祥模様なのに、鉤十字(ハーケンクロイツ)と一緒に嫌わないで!キリスト教VS.ユダヤ教の宗教戦争なのに、アジアでも仏教でもヒトラーのハーケンクロイツとは関係ないから本来の意味で卍もアーリア(徳)と言う言葉も使わせて!な本。ルターやワグナーの思想が後々ヒトラーと結びつくらしい。ろくでもない。何処の国も人も宗教も多かれ少なかれ自国や自分中心の思想は持っていて、未だに問題を引きずったり起こしたりしている。聖徳(スワスティカでアーリア)を目指すには程遠いね。2017/03/20
1959のコールマン
5
マルティン・ルターも反ユダヤ主義の片棒担いでいたのね。世界史では習ってなかったけど。2019/04/15
かんがく
5
この二つの関係ってなんだろうなぁって前から思ってましたが、アメリカで活躍する僧侶である筆者が仏教をはじめとする様々な宗教で用いられる卍と、ヒトラーのナチスのハーケンクロイツ、これらが混同されて西洋諸国で問題になっていることから、様々な研究をして、それぞれの意味と、その歴史、なぜ現在に至ったかを記述している本。研究の内容もわかりやすく、筆者がその誤解をやめて、仏教のシンボルとしての卍を広めたいという気持ちもよく伝わってくる良書でした。2014/04/10
1959のコールマン
3
そして本来の仏教の聖者を表すアーリアとして卍が使われていたのが、白人、特にドイツ人優越史観としてのアーリア人象徴に歪められてしまった。卍が西欧、ナチスによっていかに歪曲されたかを書いた本が殆ど無い事に危機感を覚える。2019/04/15
1959のコールマン
3
☆5。p61~83に驚いた。卍、逆さ卍はなんと古代ユダヤ教では好まれた神聖なシンボルである事、初期キリスト教でも正式なシンボルとして採用されていた事。他にも、東洋だけで無く、西洋、アメリカでも喜ばしいマークとして通用していた事。インディアンの幸運の印として使われていた事。p138~148にも驚く。アーリア人が仏教では聖者を表す言葉が、西洋では「アーリア人」という架空の民族、歴史が作られて「アーリア人の侵略」などという物語まで出来たと。歴史の授業で「アーリア人の侵略」とならったが、あれは嘘だったのか。2019/04/15
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