内容説明
孤立無援の台湾人による台湾語辞書づくりから、複雑多様な台湾の現在が視えてくる。
目次
1 ふるさと
2 戒厳令下の青春
3 台湾語とコンピューター
4 プログラマーに転身
5 キーを叩く日々
6 文字から音へ音から文字へ
7 論争を離れて
著者等紹介
田村志津枝[タムラシズエ]
1944年、台湾台南市に生まれる。早稲田大学文学部独文科卒業。記録映画製作にたずさわる一方で、ニュージャーマンシネマや台湾ニューシネマなど、多くの映画作品を日本に紹介。字幕製作も担当。現在、ノンフィクション作家、日本大学講師(映画論、表象文化論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
25
書店では語学の棚にあったが、コンピュータか人文の棚に置かれるべき本。主人公・アロンと著者自身の半生に沿った、台湾語のコンピュータ化の物語である。台湾の7割の人が使う、閩語系の台湾語が、公式には一度も大事にされたことのない言語だったのには驚くが、母語を守るために、あらゆる努力を尽くすアロンの行動には心打たれるばかりだ。そして1世紀以上の歴史のねじれも忘れてはなるまいと思った。2016/01/03
kozawa
3
これはツボった。好き。ITクラスタにも映画クラスタにも台湾クラスタにもオススメしたい。非常に個人的な話題の積み重ねであってこれがどれほど「台湾の現代史を代表する」かははやまらない方がいいが、しかし貴重な歴史。田村さんGJ。2011/01/19