出版社内容情報
弁護士の青木志帆さんと、新聞記者の谷田朋美さん。いのちに別状はないけれど、「人並みの働き」をするにはかなり困難な病苦(頭痛・吐き気・めまい・倦怠感…etc)を抱え、能力主義の世界で生き抜いてきた。二人が出会い、つながることで、「回復しない人生」のリアルが言葉につむがれていく。
社会的には病者/女性と弱い立場ではあるが、肩書き(新聞記者・弁護士)的には、特権的な立ち位置でもある二人。そんな「グレーな私たち」の視点から、弱さと強さについて探求する往復書簡。
一人でなく二人ならば、しんどい話もときにユーモラスに。ときに社会への鋭い批判に。
病んだまま、ただ生きていくための生存戦略を探すダイアローグ。
【目次】
はじめに
1部 死んでいないので生きていかざるをえない
2部 回復しない人生を生きる
3部 能力主義を病苦と生きる
4部 女性であること/病気であること
5部 往復書簡を終えて
*巻末に村上靖彦さん(『客観性の落とし穴』など多数)とのスペシャル鼎談を収載!