出版社内容情報
「津久井やまゆり園事件」を歴史・犯罪論的にみたとき、「戦争と福祉と優生思想」という主題が現れる。
第1部として、事件の起きた「重度知的障害者入所施設」が戦後福祉の宿痾であることを歴史的に論じる。
第2部では、裁判がなぜ「植松独演会」と称されたのかを、刑事事件の形骸化の問題として描き出す。刑事事件を長年取材してきた著書による、供述調書や傍聴記録の分析は秀逸。
第3部は、「植松聖」を時代のシンボリックな存在と見立て、津久井やまゆり園事件が私たちの生きているこの社会からどうして現れてきたのかを記した「犯罪論」。永山則夫事件から50年。犯罪の質が経済的な動向、新自由主義や合理化の流れのなかでいかに変容してきたかを記す。
内容説明
「植松聖」は「私たちの生きているこの社会」からどうして現れてきたのか。事件が深層で問いかけるものは何か。「戦争と福祉と優生思想」を主題に、徹底した考察を加えた、著者最大の野心作。
目次
プロローグ 植松被告の短い手紙から読み解く三つのこと
第1部 戦後福祉の「宿痾」
第2部 裁判はなぜ「植松独演会」になったのか
第3部 「植松聖」という深層へ―彼はなぜ「孤独」だったのか
第4部 その後―戦争とテロルと「植松聖」たち
エピローグ 植松死刑囚に送った父親の「手記」
著者等紹介
佐藤幹夫[サトウミキオ]
1953年生まれ。秋田県出身。養護学校の教員を20年以上務める。その後フリージャーナリストとして活動。批評誌『飢餓陣営』の主宰者として、思想・文学・心理学など幅広い分野で評論活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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