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内容説明
1975年『監獄の誕生』出版。1984年フーコー死去。その後の世界を大きく変化させたグローバリゼーションと情報社会の進展はフーコーの「監獄」を思いもかけない形に変容させた。私たちの身体に密かに浸透している「医療という権力」は何を統治しようとしているのか。それに抵抗する術はあるのだろうか。いま!の問題意識で名著を読み直す人気シリーズ。
目次
序章 ミシェル・フーコー紹介:医療社会学の視点から
第1章 切断して支配せよ―権力の痕跡と部分的身体
第2章 言説の外―知ることと治めること
第3章 生を治める―現代社会のバイオポリティクス
第4章 非‐病院のために―臨床の医学・帝国・植民地
第5章 (予)知は力である―身体情報と先制攻撃
終章 抵抗の限界を横断する
著者等紹介
美馬達哉[ミマタツヤ]
1966年生まれ。京都大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。現在、京都大学医学研究科准教授。専攻領域は、脳科学、医療社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mealla0v0
6
フーコーを統治性ではなく生政治の方へ引きつけて、その問題圏を徹底化するためにフーコーを「誤読」すること。確かに、『監獄の誕生』だけでなく、『知の考古学』『性の歴史』や講義録も押さえられており、フーコー理解に役立つ。が、国民国家、帝国/植民地、グローバリズム、新自由主義といった背景を加味することで、バイオ・ポリティクスが今日的に重要であることを示している点が面白い。それは、フーコー的な仕方でフーコーを塗り替えるということなのだ。さて、終章で示されたアゴーンを生権力への抵抗の契機とするのは非常に示唆的だろう。2018/03/10
まつゆう
0
今日のリスク管理的医療を思想的に究明せんとする一冊。フーコーはきたる生権力・生政治の世を予感しながら、同時代あるいは先の世の話だったがゆえにフーコー自身も兆候の予言のみで終わったとしてフーコーの権力論を積極的に誤読しながら展開していく中盤、組み込まれた管理型の自由と抵抗についての最後の章が個人的には興味深い。細かい説明をお気ながらぐいぐいと話を展開していく文体ゆえフーコー初心者の自分にはちと読みにくい部分もあるが、先行する議論なども丁寧に配置して今日の課題を改めて確認している労作には違いない。2016/09/08
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