内容説明
虫も殺さぬ宗教、その真実に迫る。ヒンドゥー教・仏教と並ぶインドの伝統的宗教。知られざる教義と歴史、出家と在家の実践、そしてその独自の生命観を食生活を通して紹介。
目次
1 ジャイナ教とは何か
2 マハーヴィーラ
3 教団の歴史と体系
4 出家とは―出家修行者の特徴
5 出家修行者の食生活
6 在家信者の生活
7 在家信者の食
8 まとめ
著者等紹介
上田真啓[ウエダマサヒロ]
1980年生まれ。京都大学大学院文学研究科(インド古典学)博士後期課程指導認定退学。京都大学文学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mittsko
5
超コンパクト(文献表込み53頁!)ジャイナ教入門! 若き印哲学者が文献と現地調査の成果をおりまぜて解説してくれます(*'▽') 教祖、経典、教義、宗派など包括的な概説のなか(不殺生、菜食などの戒律の厳しさで有名)、とくに食生活に注目しているところが個性的。ジャイナ教徒は現地インドで超少数派(0.4%)、しかし実業界で一定のプレゼンスをもっており、日印経済交流のなかで彼らと知り合うことも多くなるでしょう。あっという間に読めてしまう良書ですので、一度ぜひお手に取ってみてほしいです。2017年12月刊。2019/04/15
たんかともま
1
ジャイナ教が「どんな」宗教で「どんな」行動や規律があるのかが詳しく書かれていたが、「なぜ」の部分はあまり書かれておらず残念。サッレーカナーという断食死や何を食べるべきか、などの食に関する考え方は独特で面白い。・生き物を傷つけない・嘘をつかない・与えられていないものを取らない・性的禁欲を守る、から発展した規律なのだとよくわかった。業が霊魂に染み付くことを断ち、付いた部分を滅するための、つまり、本来の形へと霊魂を戻すための出家という説明は飲み込みやすかった。また、思っていたより抜け道や寛容さもある宗教だった。2018/11/06