内容説明
ミリオンセラーの手づくり絵本を生み出す、奇跡の出版社の秘密!
目次
イントロダクション タラブックスの本づくり
1 タラブックスができるまで
2 本の故郷をたずねて
3 タラブックスで働く人びと
4 『夜の木』の村へ
5 タラブックスと日本
6 ちいさくあること―ギータ・ウォルフとV.ギータ
巻末付録 タラブックスのこれまでの本
著者等紹介
野瀬奈津子[ノセナツコ]
編集者&ライター。旅と茶道をテーマにした書籍や雑誌、イベントの企画・編集に携わる。ユニット、KAILAS名義で書籍の企画・編集、関連イベントも行っている
松岡宏大[マツオカコウダイ]
カメラマン&ライター&編集者。南アジアやアフリカを中心に辺境エリアのガイドブックの取材・編集に携わる。ユニット、KAILAS名義で著作やイベントも行っている
矢萩多聞[ヤハギタモン]
1980年横浜生まれ。中学1年生で学校をやめ、ペンによる細密画を描き始める。1995年から、南インドと日本を行き来して暮らす。2002年、本づくりの仕事をはじめ、これまでに450冊を超える本を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nuit@積読消化中
92
なんとも羨ましい本のつくり方をしている人たち。ここで働いている人たちがこれほど誇りを持ち、のびのびと本をつくっている会社はそうはないのではないかと思う。東京ではこんな働き方はまず出来ないだろうなぁ…。人生や働き方についても考えさせられる素敵な本でした。そしてパタンガル村の少数民族ゴンド族の神話の世界、そこにはリアルな『夜の木』が写真付きで見ることが出来ます。何度見ても癒されます。2017/09/28
ルピナスさん
82
表紙に描かれた木の絵に私の心は釘付け。絵本を含め、各民族の民話や文化を独特な手法で描いたトライバル・アートが大好きだ。しかし、残念ながら、手を使ってモノを作る職業の人というのは、インド社会でとても低い地位に置かれており、インド国民自体がその価値に気づいていないとの事。素敵な絵本に出会いたくて手に取った一冊だったが、ここには共に働く人達を大切にする小さく温かいコミュニティがあった。増産のための規模拡大はしない、社員の生活の質を守りたいから、と。私も丁寧に作られたハンドメイド本、到着をゆっくり待って出会いたい2022/09/14
らぱん
62
トライブ風の絵柄が気になって手に取った。タラブックスはインド(チェンナイ)の独立系出版社で手作りの絵本を制作している。手漉きの紙にシルクスクリーンでの印刷で製本も手作業。原画は職人によるものが多く、絵巻物作者であったり、ものによっては壁や地面に描く素朴な絵の作者(いわば素人)であったりする。その絵が良い。 日本にタラブックスのハンドメイド絵本を紹介したタムラ堂による「Creation-世界のはじまり」メイキング映像 https://www.youtube.com/watch?v=0OB0B1pnYBc2020/01/23
けんとまん1007
60
素晴らしいの一言。今の社会が無くしたものが、残っている・・ということ自体、月並みな表現だが。本は、やはり、自分で手に取って読むべきものと思う。質感・重量感などが、とても意味があると思っている。そこにこだわり、思いを持って1冊1冊をじっくりと作る。それが、創る・・・創造になるし、読む人の想像にも繋がる。2019/11/11
booklight
55
インドでアート本を作るタラブックス。少数民族の物語をダイアローグで引き出して、数々の印象的な本を作り出している。規模を大きくしないで品質を保ちながら、虐げられてきた人々にも平等に働く機会と収入を渡す、という社会起業家的な側面も持っている。とはいえ、巻末の作品集をみれば「子供向けの絵本を作りたい」という純粋な気持ちが分かるし、従業員のインタビューは、志の高さとはちょっと別方向を向いている人もいて、経営の難しさも伝わる。事業を続ける難しさもあるのだろうが、良い本というは読みたくなるし、広がっていくのがいいな。2019/12/01