内容説明
あるときは悪魔の魚として恐れられ、あるときはエロティックな象徴として描かれてきたタコ。驚くべき知性を有するタコの生態を、貴重な美しい写真とともに解説する。図解・タコ学決定版。
目次
タコの身体
タコの脳
タコの知性
タコの漁業、養殖、市場
タコ料理
タコの図像学
タコの飼育法
著者等紹介
シュヴァイド,リチャード[シュヴァイド,リチャード] [Schweid,Richard]
バルセロナ在住のジャーナリスト
土屋晶子[ツチヤアキコ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らぱん
48
カラーの図版がいい。生体写真はもちろんだが、タコをモデルにした種々の日用品から芸術作品までタコ三昧だ。8章「タコの図像学(イコノグラフィー)」が面白い。西洋ではタコはエロスとタナトスの両方のシンボルとされ、ピカソが生をユゴーが死をそこに見出し、19世紀末に視覚的霊感を授けたのは北斎の「蛸と海女」だと断言する。また、NYのアーティストであるザック・スミスは、スタイリッシュな人の作品には決まってタコが登場すると言い、クリムトや「重力の虹」などを挙げ、ぶっ飛んだ作品にタコは不可欠だと語る。タコの魅力は尽きない。2019/09/15
Vakira
38
「タコの心身問題」という本を読んで意識の起源は海にあったと知り、蛸の生態に興味が湧き、読友さんの感想読んでこれは!と思い図書館リクエスト。この本は待たずに読めました。蛸の生態と人間の関わり。「タコの心身問題」を読んでいたのでほぼおさらい。写真が多いのは嬉しいが肝腎の実験描写写真が無いのが残念。実験描写は文章から想像するしかない。蛸料理の章は蛸料理が食べたくなります。たった3行ですが収穫知識がありました。愛の体位の一手として「タコ」体位があるようです。対面で座ったポーズから~の・・・ っで男性の空いてる手・2019/10/01
くさてる
14
まさにタコ尽くし。タイトルに偽りなしの一冊です。単なるタコの生物学的な知識だけでなく、広くタコにまつわる歴史、文化的な扱われ方、料理そのほかの雑学なども仕入れることが出来て、面白い一冊。日本の春画において果たした歴史的役割についても、丁寧な解説があります。2014/11/30
猫
13
図書館本。人の文化史の中に見るタコの話、タコ研究の歴史とそれによって明らかにされてきたタコの生体など。それぞれに個性のあるたこと、それに振り回される研究者の皆さんがなんか可愛い。日本の昔の人もタコを細かく観察したりもしていたはずなんだけど、取り上げられている話が主に食とエロというのがなんというかもう(笑)2018/02/19
in medio tutissimus ibis.
7
またも美術史に立ちふさがるのか! PN鉄棒ぬらぬら! なおユゴー経由で文学史にもタコへの熱い風評被害を与えた模様。ある意味「宇宙戦争」やクトゥルフ神話の源流の一つとかまじか。そんなんだからフォーリナーにされるんだ。美味しく食べるだけでなく勝手なイメージを付与している事を知られれば、ヒトはタコの怒りを恐れねばならない。交接の為だけに使われる右第三腕はヘクトコルチス(百のいぼを持った虫)と呼ばれるが、これはちぎれて雌の体内にのこった寄生虫だと勘違いされ名付けられた。事態も中々エロスなのでは? ボブは訝しんだ2019/12/26