内容説明
文字や数字、音、曜日や月の名前に「色が見える」―共感覚をもつ世界的な音楽家や芸術家、科学者たちの体験談を交えながら、この不可思議な感覚の謎に迫る。
目次
灰色のガラス
E線が奏でる赤い色
カイリューの巨大な緑のWWW
エメラルドグリーンの港と青い音符
ブロンドの共感覚者
透明のプリズム
科学的領域
赤と黒の魔法
青い目の奥で
愛の色
神の恵みの音
色彩ルネッサンス
神さまの味
ゾンビの憂鬱
インディゴブルーをまとった量子の化身
虹の始まり
著者等紹介
シーバーグ,モリーン[シーバーグ,モリーン][Seaberg,Maureen]
過去20年にわたりニューヨーク市で活動するジャーナリスト。ペンシルベニア州立大学卒業(ジャーナリズム専攻)。マドリード・コンプルテンセ大学でスペイン語学上級課程修了。2009年、ノーマン・メイラー・ライターズコロニーで第一期奨学生として学び、翌年、ブレッド・ローフ作家会議への参加資格を得る
和田美樹[ワダミキ]
東京生まれ。1987年より米国在住。ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザイン、輸出入販売会社勤務を経て、出版・映像翻訳に従事。草月流いけばな師範(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
39
初読。2014年912冊め。ひとつの感覚刺激が不随意に複数の感覚で知覚される現象、共感覚。この本では文字や数字、音、曜日などにいつも決まった色を感じる人、数字や音楽などに誘発され、カラフルな光や図形が蠢く映像を体験する人などについて書かれている。私が知りたかった別の感覚、訳者あとがきで言うところの(2)のタイプについて記述がなくて残念。私がどうやらそのタイプらしいので、そこを知りたかったのだが。2014/10/24
1039kuri
18
「共感覚(synesthesia):ある刺激が別の種類の刺激を引き起こすこと。ある数字・文字・音が特定の色や味の感覚を呼び覚ましたり、曜日や日付が特定の性格を持つように感じられたりする。共感覚を持つ人を共感覚者(synesthete)と呼び…」ということを知った。ファレル・ウィリアムスもまた、音楽を色で感じることができる共感覚者なのだそうだ。理論的なことはきちんと理解できていないが、人間の知覚について興味を持っている私にはとても興味深い内容だった。2014/12/20
shikada
7
言葉から味や色を感じたり、数字の羅列が風景に見えたりする「共感覚」を持つ人々について調査した一冊。神経の配線が交錯・混線したりすることが原因らしい。音楽や文学、芸術といったクリエイティブな分野においては、他の分野に比べて共感覚者の割合が8倍ほどにもなるとのこと。共感覚を持つ名演奏家は音から色を感じとって、「もっと『青い』音が必要だ」などと判断したりするというのは面白い。自分は共感覚を持たないから想像するしかないけれど、共感覚者の生きる世界は、きっと鮮やかで詩的な世界なんだろうと思う。2019/06/07
るい
3
共感覚を持つ著者による文章。言葉や音楽に色が見えるという感覚。その表現の仕方さえも詩人にありがちな比喩かと思ってしまう。だが、実際に色を感じるらしい。なんとも不思議な感覚だ。2018/06/16
butterflyonapin
3
よいところもたくさんある本だけど、共感覚者としてはやはりすごくスピリチュアル寄りなのが気になった。抽象化を指向しない私の共感覚とは全然タイプが違うなぁと…2013/04/27