内容説明
ホルス暦一八九年。近世王朝第七代ゴ・ヴェン・ディヤウス王朝も末期。遼原見はるかす緑野の大地は乱れに乱れ、四百年の栄耀栄華をほこるゴ・ディヤウスの王室は、私利私欲いりまじり、政治の腐乱はなはだしく、億生の民草は喘ぎ苦しんでいた。大陸の東端より興った民衆反乱は、ナカラ・バーラ・アニルッダという漢のもとしだいに諸州へ広がり、その勢いをくい止めることは王朝の誰であろうと不可能におもわれた―。テラ、マルス、ヴィナスの三つの惑星の間を巨大な天翔船が行き交い、人々がまだ様々な“力”を持っていた時代を舞台に、王朝の正統な血筋を引く一代の英傑、リュウト・ヴェン・ディヤウスの波瀾万丈の生涯を描く、歴史ファンタジー大河ロマン登場。