出版社内容情報
・人種・階級・ジェンダーが複雑に絡みあう差別とは?
・いまやバズワードとなった「インターセクショナリティ」を、フェミニズムの観点から捉えなおす。
・原点であるキンバリー・クレンショーの記念碑的論文(1989年)から、現在にいたる最重要論文7本を精選した必読アンソロジー。
キンバリー・クレンショーは、1989年に黒人差別と性差別が重なる抑圧を「インターセクショナリティ」という概念で可視化した。以来、この分析概念は、人種・階級・ジェンダーが交差する複合的な差別の実相を考察するために、女性学や社会学、政治学などの分野でさまざまに応用されてきた。
本書は、フェミニズムの視点から「インターセクショナリティ」を捉えなおし、原点であるクレンショーの記念碑的論文から現在にいたるまでの学術的軌跡を7本の最重要論文によってたどる。
現代社会の不平等、差別をフェミニズムから再考するための必読アンソロジー。
【目次】
はじめに 千田有紀
第Ⅰ部 基礎編
第1章 人種と性の交差点を脱周縁化する――反差別の法理、フェミニスト理論、反人種差別政治へのブラックフェミニスト批評(キンバリー・クレンショー/山根純佳 監訳・土屋匠平 訳)
第2章 インターセクショナリティにおける定義上のジレンマ(パトリシア・ヒル・コリンズ/佐藤文香 監訳・孟令斉 訳)
第3章 インターセクショナリティの複雑性(レスリー・マッコール/千田有紀 監訳・中林基子 訳)
第Ⅱ部 発展編
第4章 「バズワード」としてのインターセクショナリティ――フェミニスト理論の成功をめぐる科学社会学の視点(キャシー・デイヴィス/千田有紀 訳)
第5章 フェミニスト原典主義――インターセクショナリティと読解の政治(ジェニファー・C・ナッシュ/佐藤文香 監訳・永山理穗 訳)
第6章 フェミニスト理論におけるインターセクショナルな転回――共通言語の夢?(マリア・カービン&サラ・エーデンハイム/佐藤文香 訳)
第7章 インターセクショナリティの形而上学再考(ホリー・ローフォード=スミス&ケイト・フェラン/千田有紀 監訳・児玉谷レミ 訳)
解説 佐藤文香
索引