出版社内容情報
ナポレオンはどのようにして担ぎ上げられたのか
革命期に発展した民主主義を制御できなかった革命家たちは、みずから権威主義体制を望み、形成していく……
その震源となったクーデタの過程と内実に迫る
ナポレオンが総裁政府を打倒し権力の座についたクーデタ「ブリュメール18日」。本書ではこのクーデタを、ナポレオンが独裁を志向した結果として捉えるのではなく、むしろフランス革命の成果を守るために、改憲派の革命家たちがナポレオンを権力の座に引き上げた事件として理解し、革命家たちの視点に立って考察する。革命期に発展した民主主義を、思いどおりに制御できなかった革命家たちが、まさにその民主主義のなかから権威主義体制を形成していく過程を、派閥の動向、憲法、選挙制度、地方行政の改革をとおして明らかにする。
内容説明
ナポレオンが総裁政府を打倒し権力の座についたクーデタ「ブリュメール18日」。本書ではこのクーデタを、ナポレオンが独裁を志向した結果として捉えるのではなく、むしろフランス革命の成果を守るために、改憲派の革命家たちがナポレオンを権力の座に引き上げた事件として理解し、革命家たちの視点に立って考察する。革命期に発展した民主主義を、思いどおりに制御できなかった革命家たちが、まさにその民主主義のなかから権威主義体制を形成していく過程を、派閥の動向、憲法、選挙制度、地方行政の改革をとおして明らかにする。
目次
第1章 ブリュメール派の形成―恐怖政治のトラウマを抱える集団(革命前期の展開;一七九五年憲法 ほか)
第2章 新体制の設立―クーデタの実行と担き上げられたナポレオン(ブリュメール一八日の展開;ブリュメール一八日の正当化 ほか)
第3章 地方行政システムの再編―強化された中央集権(中央集権的な統治へ;革命期の地方行政システム ほか)
第4章 選挙制度の改革―安定的な統治を求めて(世論に基づく統治へ;制度のしくみ ほか)
第5章 安全保障国家の形成―国内外の危機と世襲帝政の樹立(クーデタ翌日の首都;クーデタ翌日の地方 ほか)
著者等紹介
藤原翔太[フジハラショウタ]
1986年生まれ、島根県出身。2016年トゥールーズ・ジャン・ジョレス大学博士課程修了(フランス政府給費留学)、博士(歴史学)。現在、広島大学大学院人間社会科学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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