幕藩制転換期の経済思想

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幕藩制転換期の経済思想

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  • サイズ A5判/ページ数 285p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784766423327
  • NDC分類 331.21
  • Cコード C3033

出版社内容情報

本書は、芸能興行をめぐる官民の経済意識、勘定奉行など幕府幹部の経済観、穀物備蓄めぐるセーフティーネットの思想に目を向けた。

▼19世紀への変わり目、天明から文化に至る40年間、社会は静かに大きく変わろうとしていた。その時代の経済思想をさまざまな視点から描き出し、近代へ向けての一歩を問う。

 1800年前後、天明から文化へ至る40年間は、文化が爛熟に向かい、社会や経済が深い所で静かに大きく変わった。本書は、その時代の経済思想に焦点をしぼり、さまざまな角度から光をあてる。
 商家出身の儒者頼春水、市井の経世論者海保青陵や本多利明、商人にして測量家の伊能忠敬、両替商鴻池の経営者草間直方など、すでに知られた人々の思想ばかりでなく、芸能興行をめぐる官民の経済意識、勘定奉行など幕府幹部の経済観、穀物備蓄をめぐるセーフティーネットの思想にも目を向けた。
 それらが織りなすものとして、本書は近代へ向けての歴史の一歩を描き出す。

序 本書の視点と各章の位置づけ   小室正紀

<b>第1章 「道を知る」こと ―― 学問の転換期と頼春水</b>
ベティーナ・グラムリヒ=オカ(山本嘉孝訳)
  はじめに ―― 学問の転換期
 1 父親による投資
 2 人名録を携えて
 3 ネットワークへの参加とその費用
 4 ネットワークのさらなる拡大
 5 学問の活用
 6 帰郷への思い
 7 ネットワークの構築者として
  おわりに

<b>第2章 近世高砂社の芸能興行と賑わい</b>   塩川隆文
  はじめに
 1 興行の推移
 (1)明和九年の祭礼芝居
 (2)寛政八年の尉姥神像遷座と芸能興行
 (3)寛政期以降の芸能興行
 2 興行の種類・担い手・出願理由
 (1)興行の種類
 (2)興行の担い手
 (3)興行の出願理由
 3 興行の出願過程
 4 不許可・中止になった興行
 5 高砂に常芝居はあったか
  おわりに

<b>第3章 伊能忠敬の経営観と家 ―― 文化期の書簡から</b>   田口英明
  はじめに
 1 伊能忠敬の略歴と佐原本家の動向
 (1)伊能忠敬の略歴およびその家族
 (2)佐原本家の経営動向
 2 文化期佐原本家の経営基本方針
 (1)貸金の停止
 (2)酒造業の休止
 (3)「帳合」の重要性
 3 利得・価格・費用に対する姿勢
 4 「手強家内取締の世話人」 ―― 能力者の採用
  おわりに

<b>第4章 大坂両替商草間直方の貨幣史</b>
<b>―― 『三貨図彙』の著作意図をめぐって</b>   小室正紀
  はじめに
 1 草間直方と『三貨図彙』
 (1)経歴
 (2)『三貨図彙』の概要
 2 主意書、凡例に見られる著作の意図と姿勢
 3 「銭之部」の主要論点と視角
 (1)皇朝十二銭をめぐる問題
 (2)中世から寛永通宝体制の成立へ
 4 「金之部」「銀之部」の主要論点と視角
 (1)江戸時代金銀貨制度成立の意義
 (2)元禄宝永改鋳批判
 (3)正徳享保改鋳批判
 (4)元文改鋳への賞賛
  おわりに

<b>第5章 海保青陵の富国策 ―― 経世済民から経営へ</b>   青?蜿‾子
  はじめに
 1 海保青陵が捉えていた経済社会と「治国」の目的
 2 資金調達方法と「元手」の重要性
 3 「国ノ富」と「興利」策
 4 「諸藩」への提言、生産力の増強と「産物マワシ」
  おわりに

<b>第6章 社倉法にみる経済思想</b>
<b>―― 近世後期の広島藩における社倉法理念</b>   落合 功
  はじめに
 1 広島藩の社倉法の実施と展開
 2 広島藩社倉法実施の思想史的背景
 3 『社倉攷意』に見る近世後期の社倉法理念
  おわりに

<b>第7章 本多利明の蝦夷地開発政策論 ―― 天明~寛政期を中心として</b>
宮田 純
  はじめに
 1 蝦夷地を主題とした実績の編年的整理と分析方法
 2 ?T期の実績について ―― ?@『大日本国の属嶋北蝦夷の風土艸
   稿』、?A『別本赤蝦夷風説考』、?B『赤蝦夷風説考』
 3 ?U期の実績について ―― ?C『蝦夷拾遺』、?D『蝦夷国風俗人情之
   沙汰』の「序文」、?E『蝦夷土地開発愚存の大概』、?F『利明上
   書』
 4 ?V期の実績について ―― ?G『蝦夷乃道知辺』
  おわりに

<b>第8章 蝦夷地政策論に見る日本経済観</b>
<b>―― 享和元年の三奉行による建議を中心に</b>   ??橋 周
  はじめに
 1 享和元年の蝦夷地
 2 『三奉行建議書』と柳生久通
 (1)『三奉行建議書』
 (2)勘定奉行柳生久通
 3 海外貿易をめぐる議論
 (1)柳生の建議
 (2)他の奉行の見解
 4 蝦夷地開発をめぐる議論
 (1)柳生の建議
 (2)他の奉行の見解
  おわりに

  あとがき
  索引

【著者紹介】
小室 正紀
慶應義塾大学名誉教授。
1973年慶應義塾大学経済学部卒業、1978年同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(経済学)。
主な編著書に『草莽の経済思想』(御茶の水書房、1999)、『日本の経済思想四百年』(共著、日本経済評論社、1990)、『福沢諭吉書簡集』(全9巻、共編、岩波書店、2001~2003)、『福沢諭吉著作集』第6巻(編著、慶應義塾大学出版会、2003)、『福沢諭吉の手紙』(共編、岩波文庫、2004)、『慶應義塾史事典』(慶應義塾、2008)・『福沢諭吉事典』(慶應義塾、2010)各編集委員、『近代日本と経済学』(共編著、慶應義塾大学出版会、2015)など。

内容説明

19世紀への変わり目、天明から文化に至る40年間、社会は静かに大きく変わろうとしていた。その時代の経済思想をさまざまな視点から描き出し、近代へ向けての一歩を問う。商家出身の儒者頼春水、市井の経世論者海保青陵や本多利明、商人にして測量家の伊能忠敬、両替商鴻池の経営者草間直方など、すでに知られた人々の思想ばかりでなく、芸能興行をめぐる官民の経済意識、勘定奉行など幕府幹部の経済観、穀物備蓄をめぐるセーフティーネットの思想にも目を向けた。

目次

第1章 「道を知る」こと―学問の転換期と頼春水
第2章 近世高砂社の芸能興行と賑わい
第3章 伊能忠敬の経営観と家―文化期の書簡から
第4章 大坂両替商草間直方の貨幣史―『三貨図彙』の著作意図をめぐって
第5章 海保青陵の富国策―経世済民から経営へ
第6章 社倉法に見る経済思想―近世後期の広島藩における社倉法理念
第7章 本多利明の蝦夷地開発政策論―天明~寛政期を中心として
第8章 蝦夷地政策論に見る日本経済観―享和元年の三奉行による建議を中心に

著者等紹介

小室正紀[コムロマサミチ]
慶應義塾大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。