ソロヴィヨフ―生の変容を求めて

電子版価格
¥4,950
  • 電子版あり

ソロヴィヨフ―生の変容を求めて

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 296p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784766422573
  • NDC分類 138
  • Cコード C3010

出版社内容情報

ロシア哲学のウラジーミル・ソロヴィヨフにつらなる、19世紀ロシア宗教哲学者たちの、他者への共苦の精神を描き出す、清新な一冊。

▼ソフィア=つながりの智恵。

個でありながら、全てに開かれ、全てと共にあるような人の在り方を願い続けたロシア最大の哲学者、ウラジーミル・セルゲーヴィチ・ソロヴィヨフ(1853-1900)。
生命の本質的一体性を看破し、それを〈全一性〉の思想として紡ぎ出した。

本書は、旧約の「ホクマー」に由来する「神の智恵=ソフィア」への独自の信仰を育んできたロシアにおいて、ソロヴィヨフが宗教哲学者として、その理念をいかに表現したか描き出す。また、ソロヴィヨフ以降の「ロシア・ソフィオロジー」の継承者たちにも目を向けつつ、〈具体的な総体〉を志向してきたロシアの精神性の一面を、著者自らソ連時代に見聞きしたロシア正教会等の姿をとおして紹介する。

19世紀末ロシアに輩出した宗教思想家たちの、他者への共苦の精神を描き出し、現代の知のあり方への再考をうながす、清新な一冊。

凡 例
 はじめに

第一章 ロシア的霊性
 無神論体制下のロシア正教会 / 異なるものが切り離されず一体である
 こと / イコン・永遠の窓・教会 / ロシアの修道院の霊性 / 聖霊、パ
 ラクレートス / 恩恵と自由意志 / 変わること、変わらざること

第二章 ソロヴィヨフ 非分離の精神
 哲学者ソロヴィヨフ、その終焉の地から / その哲学的視点、非分離の
 精神 / グレゴリオス・パラマースに示される東方正教会の視点 /
 ソロヴィヨフの哲学的「非分離」の精神の意味するところ

第三章 「ソフィア」の理念とロシア・ソフィオロジー
 ロシアにおけるソフィアの理念 / ソロヴィヨフの全一体験 / ロシ
 ア・ソフィオロジー / ソロヴィヨフにおけるソフィアの理念 / 具
 体的全一態と排他性 / 物質の意味 / 概念的分析的思惟を超える智
 恵 / ソフィア論と悪の問題 / ソフィアと世界霊魂

第四章 ソロヴィヨフとトルストイ
 『三つの会話』における無抵抗主義への批判 / トルストイとソロヴィ
 ヨフ / 道徳家トルストイの信条 / 批 判 / 死と復活 / 第三のも
 の、善の息吹 / アンチ・キリスト / 主我性の優位、人神 / 個であ
 って全てに連なるもの

第五章 全一的総合に向けて
 主観性の優位、他性の回復 / 根底的変容への意欲 / 「神人性に関す
 る連続講義」 / 人間の成熟 / ドストエフスキーとソロヴィヨフ /
 「全一」、「全て」と「一」 / 愛についての佳作、『愛の意味』か
 ら / 神人性の普遍的実現 / 神人性、カルケドン公会議 / 詩人ソロ
 ヴィヨフ

 結 び
 あとがき

【著者紹介】
谷 寿美
慶應義塾大学文学部教授。倫理学、宗教哲学。博士(文学、慶應義塾大学)。
主要著作は『ソロヴィヨフの哲学』(理想社、1990年)、「『ロシア的人間』 ―― 全一的双面性の洞見者」(『井筒俊彦とイスラーム』坂本勉・松原秀一編、慶應義塾大学出版会、2012年)他、翻訳にソロヴィヨフ『Sophie・La Sophia ―― ソフィアに関する手稿』(新世社、2006年)。

内容説明

ソフィア=つながりの智恵。個でありながら、全てに開かれ、全てと共にあるような人の在り方を願い続けたロシア最大の哲学者、ソロヴィヨフ。生命の本質的一体性を看破し、それを“全一性”の思想として紡ぎ出した。19世紀末ロシアに輩出した宗教思想家たちの他者への共苦の精神を描き出し、現代の知のあり方への再考をうながす、清新な一冊。

目次

第1章 ロシア的霊性(無神論体制下のロシア正教会;異なるものが切り離されず一体であること ほか)
第2章 ソロヴィヨフ非分離の精神(哲学者ソロヴィヨフ、その終焉の地から;その哲学的視点、非分離の精神 ほか)
第3章 「ソフィア」の理念とロシア・ソフィオロジー(ロシアにおけるソフィアの理念;ソロヴィヨフの全一体験 ほか)
第4章 ソロヴィヨフとトルストイ(『三つの会話』における無抵抗主義への批判;トルストイとソロヴィヨフ ほか)
第5章 全一的総合に向けて(主観性の優位、他性の回復;根底的変容への意欲 ほか)

著者等紹介

谷寿美[タニスミ]
慶應義塾大学文学部教授。倫理学、宗教哲学。博士(文学、慶應義塾大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

工藤 杳

1
エッセイを交えたとても読みやすい(当社比)ソロヴィヨフのソフィア論。御子柴の名前が一度も出ないことに潔さを感じるが、慶應には慶應で(井筒以降の)ロシア閥があるということなのだろうか…。二項対立で言うアレでもコレでもない、「非分離」の、第三のもの、「中項」としてのソフィア。世界様態の全一的把握。そこにある、感じられる全一。1910年代にすでに『神人論』翻訳が出てたり、思想の理解者が日本の神学界にはいたのだなぁ(274)。 谷の訳書『Sophie・La Sophia』(新世社06)は一体実在するのだろうか。2017/03/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9874883
  • ご注意事項

最近チェックした商品