出版社内容情報
「伝統文化」や「宗教活動」のなかにも潜む経済合理性を、わかりやすく切れ味鋭い文章で解説。経済学の懐の深さを学べる入門書。
経済学的思考を身につけよう!
「伝統文化」や「宗教活動」のなかにも潜む経済合理性を、わかりやすく切れ味鋭い文章で解説。人間の幸せを実現する道具としての経済学の懐の深さを学べる入門書。
〈著者からの一言〉
経済学は守備範囲がとても広く、汎用性の高い学問です。すべての社会現象が経済学で説明できるわけではありませんが、社会を見るためのメガネのひとつとして経済学を学んでおくことは有効です。
キーワードは「なぜ?」という疑問符。経済学の視点と考え方を学ぶことは、政府の言いなりにならず、マスコミ報道に踊らされず、自ら知恵を出して社会をつくっていくための確実な一歩となるでしょう。
経済学の勉強がつまらないと感じている人は、この本を読めば、世の中の見方が180度変わって経済学が好きになること請け合いです。
はじめに
第1章 経済学的思考のススメ
モラルという価値判断に頼りすぎていないか / 法は常に絶対的な基準
ではない / 因果関係の取り違い / 木を見て森を見ず / ものごとの一
面だけを見ていないか / 愛ということばに置き換えて納得していない
か / 目に見えるものだけで判断していないか
第2章 伝統文化、その生き残りの秘密
○○道として生き残る / その道のプロ / 達人のカリスマ性 / 他流試
合の功罪 / 笑いの世界の他流試合 / 家元制度 / 参入障壁 / 将棋界
の競争性と文化性 / 参入障壁の理由 / 特例措置の背景 / 年功賃
金 / 力士の特殊な人的資本 / 年寄という年金生活者 / 大相撲の文化
性 / 溜まり席の役割 / 大相撲ファンの文化性 / 文化性を放棄した柔
道 / 大学の文化性 / 野球も文化です / 文化活動の担い手としてのテ
レビ / 政府の文化保護政策 / 文化振興は必要か / 日本における文化
振興策 / 伝統文化が生き残るには
第3章 宗教という経済活動
信仰に対する需要 / アダム・スミスの信仰市場論 / 日本人の信仰
心 / なぜお寺に行くのでしょうか / はじめは聖徳太子から / 信仰
市場を活性化させた新規市場 / 檀家制度の誕生 / 檀家制度の功罪 /
新興宗教の攻勢 / また新たな変化が / 「墓質」も万全ではない /
宗教サービスの解釈 / 宗教活動の定義 / 「徳」を生産するタイのお
寺 / 宗教における戒律の働き / 肉食・妻帯を許す日本仏教 / 檀家
制度なかりせば / 沖縄の寺院の経済基盤 / 新規参入のすすめ / 参
入障壁 / トップダウンかボトムアップか / 寂れゆくお寺の対処法 /
お寺へのニーズはあるのでしょうか
第4章 経済学で考える「弱者」
弱者に冷たいといわれる経済学 / 環境の変化が弱者を変える / 行政
による弱者保護とガバナンス / 割引制度の非合理性 / 弱者をどこま
で保護すべきか / 身分制度はコストを節約する / 弱者という身分 /
優先席の存在意義 / モラルの判定材料となる弱者 / 世間的なイメー
ジが崩れるとき / 弱者のイメージは崩れるか / 弱者は差別されてい
るか / 弱者差別を解消するために / 「銀座の屈辱」を考える /弱者
の世話をする人たち / 施設による弱者の世話 / 弱者の世話のインセ
ンティブを高めるには / ボランティアの役割 / 隔離型弱者政策の問
題点 / 施設解体とグループホーム / ハードよりソフト / 社会に貢献
する喜び / 弱者のレッテルをはがそう
第5章 経済学は懐の深い学問
技術進歩 / 伝統文化 / 宗教 / 市場経済 / 自由のコスト / 進んで
自由を制限する人間 / 組織が問題を起こすとき / 企業犯罪は個人が
悪いのでしょうか / 消費者を主役とすべき / 政府による関与の効
果 / 家庭という聖域 / 経済学に「善人」や「悪人」はいない / 経
済学は本当に弱者に冷たいのか / マイノリティを経済学で扱う意味 /
経済学は懐の深い学問
あとがき
参考文献
【著者紹介】
中島 隆信
慶應義塾大学商学部教授、同大学産業研究所所長。
1960年生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は応用経済学。著書に、『こうして組織は腐敗する』(中公新書ラクレ、2013年)、『刑務所の経済学』(PHP研究所、2011年)、『障害者の経済学 増補改訂版』(東洋経済新報社、2011年)、『オバサンの経済学』(東洋経済新報社、2007年)、『子どもをナメるな』(ちくま新書、2007年)、『お寺の経済学』(東洋経済新報社、2005年)、『大相撲の経済学』(東洋経済新報社、2003年)、『日本経済の生産性分析』(日本経済新聞社、2001年)など。実証的な分析を行うかたわら、従来の経済学ではあまり扱われなかった事象を例に、経済学的思考の重要性を説く多くの著作を世に問うている。
内容説明
「伝統文化」や「宗教活動」のなかにも潜む経済合理性を、わかりやすく切れ味鋭い文章で解説。人間の幸せを実現する道具としての経済学の懐の深さを学べる入門書。
目次
第1章 経済学的思考のススメ(モラルという価値判断に頼りすぎていないか;法は常に絶対的な基準ではない ほか)
第2章 伝統文化、その生き残りの秘密(○○道として生き残る;その道のプロ ほか)
第3章 宗教という経済活動(信仰に対する需要;アダム・スミスの信仰市場論 ほか)
第4章 経済学で考える「弱者」(弱者に冷たいといわれる経済学;環境の変化が弱者を変える ほか)
第5章 経済学は懐の深い学問(技術進歩;伝統文化 ほか)
著者等紹介
中島隆信[ナカジマタカノブ]
慶應義塾大学商学部教授、同大学産業研究所所長。1960年生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は応用経済学。実証的な分析を行うかたわら、従来の経済学ではあまり扱われなかった事象を例に、経済学的思考の重要性を説く多くの著作を世に問うている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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