内容説明
一冊の書物は読者とのかかわりのなかでどのように変容していくのか。貴重書に残された痕跡をてがかりにその歴史と文化を分析する11篇の論考集。
目次
「見る書物」としての『バイユーのタピスリー』―その解釈の変遷
失われた自筆原稿を求めて―ダンテ『神曲』のテキストを読むということ
グーテンベルク聖書の手書き要素から辿る来歴
エリザベス1世の侍女の時祷書―「フィトン時祷書」の特色と来歴
閨秀古英語研究者のアソシエーション・コピー―エリザベス・エルストブとアンナ・ガーニーの場合
海を渡るヒロインたち―日本における翻訳小説と少女マンガ
『春と修羅』と賢治にとっての「本」
漢籍の書物捜索
作品はどのように生成するか―エミール・ゾラから永井荷風へ
キリシタン時代の良心問題に関する手引書―マルティン・デ・アスピルクエタとその周辺
もう一つの『百人一首』―五山文学受容の一様相
著者等紹介
松田隆美[マツダタカミ]
慶應義塾大学文学部教授(中世英文学、思想史)。ヨーク大学大学院博士課程修了(Ph.D.)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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