内容説明
個人化の時代における生活史とは何か。人間の「個性」と「時代状況」を結び付ける生活史研究の方法論的課題と可能性に迫る。
目次
生活史宣言の意図
第1部 現代社会学と生活史研究(生活史研究の視角;生活研究とライフヒストリー;再帰性とライフヒストリー)
第2部 生活史の意味論(質的社会学としての生活史研究;“意味の社会学”と生活史研究;生活史における記憶と時間;生活史調査の意味論)
第3部 生活史の応用と解釈(移民研究と生活史研究;日系ペルー人のエスニシティ変容;個人生活史の解釈;彷徨するアイデンティティ)
生と死のライフヒストリー
著者等紹介
有末賢[アリスエケン]
1953年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。専攻領域は地域社会論、都市社会学、生活史。1982年慶應義塾大学大学院社会学研究科社会学専攻博士課程修了。博士(社会学)。慶應義塾大学法学部専任講師、同助教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
4
「佐藤健二は「社会分析の方法としての『新しい歴史』」(1984年)の中で、「社会史は『いま・ここ』に生き残った人間のみの社会を、生活を作り上げている有形・無形のモノとの関係という自然史的な回路をひらくことによって、精神分析が対象としたような人間関係をさらに深い『人と人との関係の絆が結ばれる』場へと措定しなおす。そう押さえてくる、社会史を近代社会の『集合的無意識』という理論的対象を持ち、社会現象の連帯が帯びる『意味表現』の二重性を解読する試みという形で把握することが出来るのではないだろうか」と述べている」2017/06/28